E759 – RUSA,用語「レファレンス」の新しい定義を発表

カレントアウェアネス-E

No.124 2008.03.05

 

 E759

RUSA,用語「レファレンス」の新しい定義を発表

 

 米国図書館協会(ALA)のレファレンス・利用者サービス協会(RUSA)は近年,1984年に制定した用語「レファレンス」の定義を,時代による図書館や利用者ニーズの変化に照らして見直す取り組みを行ってきた。そして2008年1月14日,「レファレンス」の新しい定義がRUSA理事会により承認された。

 今回承認された新しい定義は以下の通りである。

  • Reference Transaction
  • “Reference Transaction”とは,特定の情報ニーズを満たす手助けのために,図書館スタッフが情報資源を推薦,解釈,評価,利用のいずれか,あるいはそれらを組み合わせて行う情報相談のことである。“ReferenceTransaction”には,所在,スケジュール,設備,消耗品,または各種方針についての公式の指導や,やり取りは含まない。
  • Reference Work
  • “Reference Work”とは“Reference Transaction”および,情報あるいは調査のための資源,ツール,サービスを製作し,管理し,評価する活動のことである。

 なお“Reference Work”については,定義の内容を明確にするため,以下の2点が補足されている。

  • 「情報資源の製作・管理」には,情報ニーズを満たすため,調査コレクション,調べ方ガイド,各種目録,データベース,ウェブサイト,検索エンジンなどを構築,維持管理し,利用者が図書館内からでも館外からでも,独力で利用できるようにすることを含む。 
  • 「評価」活動には,レファレンスワーク,レファレンス資源,レファレンスサービスの測定と評価が含まれる。

 これまでと大きく異なる点は,レファレンスを,“Reference Transactions”と,“Reference Transactions”を含むより広い概念である“Reference Work”という2つの側面から定義している点にあり,実際に利用者に提供するレファレンスサービスとともに,サービス提供を支える資源の開発などもレファレンスの1つとし,さらにそれらの評価活動をもレファレンスの定義に含めている。新しい定義は,レファレンスに携わる図書館スタッフに対し,サービスの質を向上させるために,より創造的,積極的に業務に携わることを求めている。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA6510526.html
http://www.rusablog.org/blog/_archives/2007/11/14/3352903.html
http://www.rusablog.org/blog/_archives/2008/1/31/3497770.html
http://www.ala.org/ala/rusa/job%208b%20Definition%20of.doc