E394 – チュニジアの図書館事情と知的自由

カレントアウェアネス-E

No.68 2005.10.19

 

 E394

チュニジアの図書館事情と知的自由

 

 2005年11月に2回目の国連世界情報社会サミット(WSIS;E159参照)がチュニジアで開かれる。これに先立ち,国際図書館連盟(IFLA)の情報へのアクセスと表現の自由に関する委員会(FAIFE)委員がチュニジアを訪れ,現地の図書館事情と知的自由に関するレポートを9月23日に発表した。

 それによると,チュニジアには約380館の公共図書館があり,専門の図書館員は約1,500人配置されているなど,アラブ諸国の中では図書館整備が比較的充実しているという。国立図書館も100人規模の専門職員を配置しており,また現在2006年開館を目指して新館を建築中とのことである。

 他方で,チュニジアでは,納本された出版物について内務省が承認しなければ流通させることができない。レポートによれば,これが事実上の検閲制度となっており,年間1,400冊程しか新刊書は出版されておらず,それも子ども向けか復刻版が多く,大人向けの本は200〜300冊程度であるという。また,図書館で購入する資料も中央政府で決められているという現地図書館員の証言もあった。インターネットの統制や報道管制も行われており,多くの市民団体からWSISの場にふさわしくないと非難の声が挙がっている。IFLAも,チュニジア政府はWSIS開催前にこうした知的自由を侵す政策を撤廃すべきであると声明を出している。

Ref:
http://www.ifla.org/V/press/pr30-09-2005.htm
http://www.ifla.org/faife/faife/tunis-report2005.htm
http://www.ifla.org/faife/news/2005/Tunisia-Pr-08072005.htm
E159