カレントアウェアネス-E
No.207 2011.12.22
E1248
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況（2011/12/21現在）
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について，『カレントアウェアネス-E』での既報（E1155，E1161，E1166，E1172，E1177，E1205，E1222参照）に続き，2011年10月下旬から12月中旬にかけての主な情報をまとめた。
●図書館設置等の支援活動
2011年12月6日，宮城県図書館が南三陸町図書館の再開支援活動（E1228参照）についてまとめた報告書を公開した。
被災地ではその他にも図書館設置活動が続いており，子どもたちへ＜あしたの本＞プロジェクトや＜大震災＞出版対策本部等による「にじのライブラリー」（岩手県陸前高田市，11月12日開館），NPO法人うれし野こども図書室が運営する陸前高田こども図書館「ちいさいおうち」（11月26日開館），宮城県東松島市図書館による「小さな図書館」（市内仮設住宅9か所，11月末開館）等の動きがある。2012年1月6日には，東海大学と日本ユニセフ協会によって宮城県に「名取市図書館どんぐり子ども図書室」が開所予定である。
活字文化推進会議，全国学校図書館協議会，文字・活字文化推進機構が，2011年12月から2014年3月にかけて，岩手・宮城・福島の3県を対象とした「学校図書館げんきプロジェクト」を実施すると発表している。
●デジタルアーカイブ
Googleは「未来へのキオク」においてストリートビュー形式で被災地の写真を公開している。「未来へのキオク」は，Yahoo! JAPANの「東日本大震災写真保存プロジェクト」と連携し，一方に投稿された写真・動画等が両サービスでアーカイブされるようにもなっている。
「311まるごとアーカイブス」のウェブサイトで，津波の映像等，自治体等から提供された動画が公開されている。10月8日に開催された「東日本大震災の記録とその活用～311まるごとアーカイブスの目指すもの～」の講演資料・動画も掲載されている。
東北大学が多数の機関と協力して進めている「みちのく震録伝」は，「東北大学研究者による復興写真マップ」を公開している。また，NHKメディアテクノロジー社からは，被災地の3D映像が提供されている。
首都大学東京の渡邉英徳准教授らが，Google Earthを利用して開発した「東日本大震災アーカイブ」を閲覧できる，拡張現実（AR）技術を用いたiPhone・iPadアプリ「eARthquake 311」を公開している。
●文化財レスキュー事業
米国のワールド・モニュメント財団が，東日本大震災の被災地の文化遺産を，修復・保全が必要な文化遺産に対する支援の呼びかけを目的として実施している「ワールド・モニュメント・ウォッチ」に指定した。同財団は，日本の文化財保護・芸術研究助成財団による支援活動“Save Our Culture”にも協力している。
Ref:
http://www.library.pref.miyagi.jp/minamisanrikushienhoukoku.pdf
http://www.iwate-np.co.jp/hisaichi/h201111/h1111132.html
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws7118
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2011_11/i/111124i-dokusyo.html
http://ksvn.jp/ksvn_headline_news20638.html
http://www.j-sla.or.jp/shinsai/genki-project.html
http://www.miraikioku.com/streetview/
http://pr.yahoo.co.jp/release/2011/1020a.html
http://311archives.jp/?module=blog&eid=15938&blk_id=10701
http://311archives.jp/?module=blog&eid=15856&blk_id=14202
http://www.nhk-mt.co.jp/shinsai3d/
http://www.informatix-inc.com/top/disaster_photomap.html
http://labo.wtnv.jp/2011/12/iphonear.html
http://www.wmf.org/project/east-japan-earthquake-heritage-sites
http://save-our-culture.jp/
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