英国図書館(BL)におけるデジタル保存の評価フレームワーク(記事紹介)

英・電子情報保存連合(DPC)の2020年8月11日付けブログ記事において、英国図書館(BL)におけるデジタル保存の評価フレームワークが紹介されています。筆者はBLのDigital Collections ConservatorであるSimon Whibley氏です。

BLは、デジタル保存における進捗状況のベンチマークや存在するギャップの特定のため、いくつかの評価フレームワークを使用してきました。本記事ではBLが過去に使用した評価フレームワークとその際に得た教訓を紹介しており、2015年に実施したISO 16363(Audit and certification of trustworthy digital repositories)に基づく自己評価、2017・2018年に実施したDPCによる外部評価(CoreTrustSeal認証フレームワークのカスタマイズ版に基づく)、2020年に実施したCoreTrustSeal認証フレームワークに基づく自己評価を取り上げています。

デジタル保存の評価に使用できるモデルやフレームワークのリストも掲載されており、ISO 16363やCoreTrustSeal認証フレームワークのほかに、DPCの“Rapid Assessment Model”(DPC LAM)、米・国家デジタル管理連盟(NDSA)の“Levels of Digital Preservation”、北米の研究図書館センター(CRL)が認証管理を行っている“Trustworthy Repositories Audit & Certification”(TRAC)を挙げています。

How we doing?: Digital preservation assessment frameworks at the British Library(DPC, 2020/8/11)
https://www.dpconline.org/blog/how-we-doin

参考:
国際科学会議世界科学データシステム(ICSU-WDS)とData Seal of Approval(DSA)、データリポジトリの認証機関“CoreTrustSeal”を設立
Posted 2017年9月15日
http://current.ndl.go.jp/node/34669

データリポジトリの認証機関CoreTrustSeal、新しい認証要件のドラフト版を公開
Posted 2019年8月15日
https://current.ndl.go.jp/node/38800

英・電子情報保存連合(DPC)、組織のデジタル保存における成熟度の測定ツール“DPC Rapid Assessment Model”を公開
Posted 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/node/39079

米・国家デジタル管理連盟(NDSA)、デジタル保存の支援ツール“Levels of Digital Preservation”の第2版を公開
Posted 2019年11月8日
https://current.ndl.go.jp/node/39469

北米の研究図書館センター(CRL)、CLOCKSSは「信頼できるリポジトリ」との監査結果を公開
Posted 2014年7月28日
https://current.ndl.go.jp/node/26664

E1972 – 研究データ同盟第10回総会<報告>
カレントアウェアネス-E No.337 2017.11.16
https://current.ndl.go.jp/e1972