E579 – 統計で見る米国の大学図書館・公共図書館

カレントアウェアネス-E

No.96 2006.12.06

 

 E579

統計で見る米国の大学図書館・公共図書館

 

 全米教育統計センター(NCES)が,図書館に関する2004年度の統計報告書『研究図書館2004』(Academic Libraries:2004),『米国の公共図書館:2004年度版』(Public Libraries in the United States:Fiscal Year 2004)をあいついで公表した。いずれも全数調査であり,公共図書館約9,200館,大学図書館約3,700館を有する米国の図書館の概要を見ることができる。

 『研究図書館2004』は,大学等の高等教育機関に付設される図書館3,653館を対象に調査を行っているものである。図書館サービス,蔵書,職員,支出,電子的サービス,情報リテラシーを把握することができる。

 サービス面では,蔵書数:9億826万冊,貸出冊数:1億5,510万点,レファレンス件数(1週間あたり):140万件となっている。特に蔵書については,2004年度中に2,460万冊が増加しており,218館もの図書館が100万冊以上の蔵書規模を誇ることが示されている。また,電子メールもしくはウェブでレファレンスを受け付けている図書館は69%にのぼり,情報リテラシーを組織の戦略計画に織り込んでいる図書館も34%あるとのことである。職員については,フルタイム換算値(FTE)は9万4,000人で,このうち図書館員は2万6,000人,その他の専門職員が6,300人である。

 一方,『米国の公共図書館:2004年度版』は,全米50州及びコロンビア特別区の9,210館に対して調査が行われ,9,000館(97,7%)が回答している。各州ごとの図書館数,開館時間,図書館サービス,蔵書,職員,予算,支出,設備投資費,面積を把握することができる。

 サービス面では,蔵書数:8億冊,年間の貸出冊数:20億点,レファレンス件数:3億440万件だという。また職員については,フルタイム換算値(FTE)が13万6,000人で,このうち4万5,000人が図書館員である。ALA認定校の図書館学修士を取得している有資格者数は3万人となっているが,一方で半数以上の図書館においては,有資格者がいないという結果が出ている。

 特に大学図書館の充実ぶりが,改めて確認されるものとなっている。数値の詳細については,資料を参照されたい。

Ref:
http://nces.ed.gov/pubsearch/pubsinfo.asp?pubid=2006349
http://nces.ed.gov/pubsearch/pubsinfo.asp?pubid=2007301