E367 – 南アフリカ共和国における公共図書館の運営の現状

カレントアウェアネス-E

No.64 2005.08.17

 

 E367

南アフリカ共和国における公共図書館の運営の現状

 

 南アフリカ共和国の公共図書館1,240館は現在,“unfunded mandate”,すなわち財政的支援のないまま運営されている。これは,図書館の設置に責任を持つべき州政府が,中央政府から図書館関連予算を得られない状態であることを示している。

 1996年に成立した憲法では,それまで市町村によっていた図書館の設置が州の責任とされたが,これに関して中央政府からの予算は割り当てられていない。そのため,市町村は引き続き図書館サービスにかかる人件費を負担し,施設の管理を行ってきたが,他の行政サービスに対する要求が高まるにつれて,図書館に関する予算は削減されつつある。また,現在は運営主体もまちまちで,地域によっては清掃業者や消防署が図書館を運営していることもある。

 こうした現状に対して,出版業者で構成される図書館ワーキンググループは,国内の9州における公共図書館の運営の実態を調査した上で,図書館員の役割,資格,給与,職務内容についての標準の作成と中央政府からの予算の割り当て,図書館の施設・設備の維持管理をこれまでどおり市町村が行うこと,図書館の運営能力を高めることなどを求める勧告を,芸術・文化省に対して提出している。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA631731.html
http://www.mg.co.za/articledirect.aspx?articleid=245886
http://centerforthebook.org.za/articles_and_papers/publiclibrary.html