E1345 – カタルーニャ州の公共図書館とWikipediaが記事入力で協力

カレントアウェアネス-E

No.224 2012.10.11

 

 E1345

カタルーニャ州の公共図書館とWikipediaが記事入力で協力

 

 2012年8月23日,スペインのカタルーニャ州の公共図書館がWikipediaに公式に協力することが公表された。これは,州内の公共図書館が利用者に対しWikipediaコンテンツ登録を推進するとともに,図書館員によるコンテンツ登録の協力を行うものである。この協力関係は,図書館や博物館等のいわゆるGLAMとWikimediaの活動との連携プロジェクト“GLAM-Wiki”への協力として行われるもので,同種の取り組みは図書館界において世界初の試みとされている。

 カタルーニャは世界でもWikipediaへの協力が顕著な地域の一つとされている。これまでにも,ピカソ美術館やカタルーニャ国立美術館,バルセロナ現代美術館等がGLAM-Wikiへ協力している。今回の公共図書館による協力もこれらの動きに連なるものとされており,カタルーニャ州政府は一連の協力活動を通じて,図書館のもつオンライン目録へのアクセス向上と,カタルーニャという地域とその歴史に対する関心を高めることを目指すとしている。

 州政府の発表に先立ち,利用者に対する支援の準備が進められている。既に6月から7月にかけて,州内の150の公共図書館を対象に,Wikipediaへのコンテンツ登録方法に関する講習が行われた。またこれと平行して州政府は,コンテンツの登録方法等を解説したパンフレット“Benvinguts a la Viquipedia”(ウィキペディアへようこそ)を1,500部作成している。パンフレットは,今後,州内全ての公共図書館を通じて利用者へ提供される予定となっている。

 利用者へのコンテンツ登録推進活動は,7月から8月にかけてカタルーニャ州のパラフルーゲルで先行実施されている。パラフルーゲルの図書館等の文化機関でウィキペディアン・イン・レジデンス(何らかの機関にインターン等として所属し,その機関に関連したWikipediaの記事を作成する人)として勤務するパレーニョ(David Parreno)氏は,地元カタルーニャの20世紀後半の著名な画家クシャー(Modest Cuixart)についての記事を充実させるべく,コンテンツ編集ワークショップ“エディッタソン”(Edit-a-thon)を開催した。生前クシャーが創作活動を行った一室を会場に,バルセロナ現代美術館資料センターからクシャーの年譜を,パラフルーゲル公文書館から文献資料の提供を受け,10名の参加者を得て行われた。この活動の成果は,カタルーニャ語のWikipediaの当該記事で確認することができる。

 図書館員によるコンテンツ登録協力では,Wikipediaへの文献情報の追加や図書館の所蔵するパブリックドメインとなった写真資料のWikimedia Commonsへの提供が行われる。また,2013年には,パブリックドメインのテキストを提供するWikisourceへの入力も予定されているという。

(関西館図書館協力課・菊池信彦)

Ref:
http://premsa.gencat.cat/pres_fsvp/AppJava/notapremsavw/detall.do?id=159566
http://es.wikinews.org/wiki/La_red_de_bibliotecas_p%C3%BAblicas_de_Catalu%C3%B1a_empieza_a_colaborar_con_Wikipedia
http://www20.gencat.cat/portal/site/Biblioteques/menuitem.690b4e2d7721b5b009671410b0c0e1a0/?vgnextoid=5874065afe769310VgnVCM1000008d0c1e0aRCRD
http://www.europapress.es/catalunya/noticia-bibliotecas-publicas-colaboraran-creacion-nuevos-contenidos-wikipedia-20120823115052.html
http://theglamwikiexperience.blogspot.jp/2012/08/modest-cuixart-edit-thon.html
http://www.youtube.com/watch?v=Anco3oeUJwE
http://ca.wikipedia.org/wiki/Modest_Cuixart_i_T%C3%A0pies