2022年10月12日、米・メリーランド州ハワード郡公共図書館(Howard County Library System:HCLS)が、同郡内における人種間の不公平と、それが教育や健康等に及ぼす影響に関する報告書“Inequity Within: Issues of Inequity Across Communities”を公開しました。
HCLSは人種差別を含むあらゆる差別に立ち向かうためのイニシアチブ“Brave Voices, Brave Choices”を立ち上げており、今回の報告書もその一環です。ハワード郡は米国の中でも裕福、健康で多様性のある地域と認識されているものの、人種間不平等が存在しないという思い込みは郡内の公平性の問題を前進させる妨げになりうると指摘しています。
報告書は、同郡内の教育、健康、経済、住宅環境、法との関連に関して、人種ごとに検証しています。結果として、非ヒスパニック系白人と比較した場合、非ヒスパニック系黒人は検証された全ての分野について1.5-11倍、ヒスパニック系住民は1.5-7倍悪い状況にあることが示されています。またアジア系住民は教育と法関連においては非ヒスパニック系白人と同様かさらに良い状況にあるものの、住宅環境・健康・経済の結果は悪いものとなったことなどが挙げられており、大多数の住民が繁栄しているように見える同郡内にも、十分な利益を得ていないコミュニティやサブグループがあることを実証しているとしています。
Inequity Within: A Local Equity Analysis(HCLS)
http://hclibrary.org/brave-voices-brave-choices/brave-resources/local-equity-analysis/
Inequity Within: Issues of Inequity Across Communities[PDF:36ページ]
https://s3.amazonaws.com/hcls_wordpress_images/wp-content/uploads/2022/10/04151954/HCLS-Racial-Equity-Data-Report.pdf
@HoCo_Library(Twitter, 2022/10/12)
https://mobile.twitter.com/HoCo_Library/status/1579913491095224320
関連:
Brave Voices Brave Choices(HCLS)
http://hclibrary.org/brave-voices-brave-choices/
参考:
米・都市図書館協議会(ULC)、革新的なプログラムを実施した公共図書館を称える“Top Innovators 2018”を発表
Posted 2018年9月13日
https://current.ndl.go.jp/node/36662
米・ボストン公共図書館(BPL)、 人種的公平(Racial Equity)に関する活動計画を策定
Posted 2020年11月17日
https://current.ndl.go.jp/node/42548