インドの英字紙The Hinduの2021年5月12日付け記事に、“Central Vista Redevelopment Plan”の即時中止を求める学者・芸術家・博物館関係者らの共同声明が掲載されています。“Central Vista Redevelopment Plan”はインド・ニューデリーの官庁街再開発計画であり、その一部として国立博物館、国立公文書館、インディラ・ガンジー国立芸術センター(IGNCA)の解体・移転も予定されています。
声明では、次のような点等を指摘しています。
・このような「贅沢」(extravagant)なプロジェクトが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下において進められれば、労働者を危険にさらし、救命に利用できる資源を浪費することになる。即時中止し、パンデミック対策を優先すべきである。
・歴史的価値を有する建造物の性急な破壊は、取返しのつかない損害をもたらす。
・文化施設のコレクション移転は安全かつ責任ある方法でなされるべきであり、パンデミック下での性急な移転は保存・管理上の悪影響をもたらす懸念がある。特に、国立博物館のコレクションはまだ完全な目録が整備されておらず、移転は危険である。
・計画中止後、長期的には大規模な公開協議を行い、インドの機関や歴史的建造物及びコレクションの将来を民主的なプロセスで決定できるようにすべきである。
Statement seeking to halt and reconsider the Government of India’s Central Vista Redevelopment Plan(The Hindu, 2021/5/12)
https://www.thehindu.com/news/national/statement-seeking-to-halt-and-reconsider-the-government-of-indias-central-vista-redevelopment-plan/article34540084.ece
関連:
CHA Statement on the proposed destruction of the National Archives of India(Canadian Historical Association, 2021/5/20)
https://cha-shc.ca/advocacy/cha-statement-on-the-proposed-destruction-of-the-national-archives-of-india-2021-05-20.htm
※カナダ歴史協会(CHA)による声明です。パンデミック下におけるインド国立公文書館の施設解体・移転に反対する内容です。