2021年2月1日、ロシア国立図書館(モスクワ)は、同館とロシア書籍院(Rossiiskaia knizhnaia palata)との統合に向けたロードマップが、2021年1月26日付のロシア政府命令によって承認されたことを発表しました。ロシア書籍院がロシア国立図書館(モスクワ)に吸収合併されることになります。
ロシア書籍院は、1917年にペトログラード(現在のサンクト・ペテルブルグ)に創設された「書籍院」を前身とし、2013年からは国営通信社イタル・タス(現在のTASS)傘下の一支局となって、ロシア連邦における義務納本の窓口として、全国書誌の作成やISBN・ISSNの付与等を担っていました。
これまで、書誌作成や納本出版物の保存は、ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院のそれぞれにおいて重複して行われており、業務の非効率や納本を義務づけられている出版者の負担等が問題視されていました。
今回の統合によって、そうした問題が解消されることに加え、総資料点数が2億点を超えることが見込まれ、ロシア国立図書館(モスクワ)によれば、同館は統合によって蔵書面で「世界最大の図書館となる」とされています。
承認されたロードマップによれば、2021年3月中に「納本法」(正式名称「義務納本に関する連邦法」)の改正案が作成され、改正法の施行から最大で6か月以内に統合に向けた様々な手続きが行われるとされています。
Функции Российской книжной палаты будут переданы РГБ(ロシア国立図書館(モスクワ), 2021/2/1)
https://www.rsl.ru/ru/all-news/funkczii-rkp-budut-peredanyi-rgb
The RSL is to take over the duties of the Russian Book Chamber(ロシア国立図書館(モスクワ), 2021/2/17)
https://www.rsl.ru/en/international-events/events/the-rsl-is-to-take-over-the-duties-of-the-russian-book-chamber
Распоряжение Правительства Российской Федерации от 26.01.2021 № 150-р(ロシア連邦政府立法情報ポータル)
http://publication.pravo.gov.ru/Document/View/0001202101280017
関連:
Филиал ТАСС “Российская книжная палата”(TASS通信社ウェブサイト)
https://tass.ru/bookchamber
※ロシア書籍院の沿革・機能等を紹介するウェブページです。
参考:
CA1095 – ロシア連邦の納本法 / 小林一春
No.207 1996.11.20
https://current.ndl.go.jp/ca1095