台湾国家図書館、台湾の修士・博士論文のうちインターネット未公開分を電子閲覧できるシステムを構築:同館内から利用可能

2021年1月22日、台湾国家図書館は、台湾の修士・博士論文のうちインターネット未公開分を電子閲覧できるシステム「台湾博碩士論文独立調閲系統」を構築し、館内から利用可能としていることを発表しています。

同館では学位論文約80万点の電子ファイルを所蔵していますが、そのうち30万点超は著者からの許諾が得られていないためインターネット上での閲覧・ダウンロードが不可となっています。これまで同館では、これらインターネット未公開分の論文は印刷版を用いて閲覧・複写する必要がありました。今回利用提供された「台湾博碩士論文独立調閲系統」は、これらインターネット未公開分30万点超の電子ファイルについても、同館内から閲覧・複写可能とするものです。

台湾の学位授与法では、学問分野によっては博士・修士論文の代替として作品等を提出することを可としています。これらマルチメディア形式の作品等を閲覧するためのシステム「博碩士電子論文数位影音串流系統」も新たに構築したこと、著者から許諾を得られたものは同システムを通じインターネット上で公開していることも発表しています。

國圖學位論文創新服務再升級 敬邀各界論文授權、知識共享(台湾国家図書館, 2021/1/22)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_11861.html

博碩士電子論文數位影音串流系統(台湾国家図書館)
https://www.ncl.edu.tw/information_237_11861.html

参考:
台湾国家図書館、学位論文の著者に同館データベース上での全文公開許諾を呼び掛け:感染拡大防止期間における知識共有促進のため
Posted 2020年4月2日
https://current.ndl.go.jp/node/40683

台湾・教育部、学位論文の品質向上に向けた8つの取組を発表
Posted 2020年8月13日
https://current.ndl.go.jp/node/41733