法律事務所の図書室(米国)

第5回法律事務所図書館員調査に基づき、米国の法律事務所のライブラリーやライブラリアンの現状を報告した記事“Beyond the Books”が、The American Lawyerに掲載されています。
記事によると、法律事務所に勤務するライブラリアンの任務にはこれまで、法律関係の調査や図書室関係の事務とされていたのですが、最近では、それまで弁護士の仕事であった企業情報や周辺情報に関する調査も、敏速で安価にできるということでライブラリアンが担当したり、特許や商標、特定の商品に関する調査を、顧客から直接受けることもあるなど、ライブラリアンの活躍範囲は拡大しているようです。このような役割の増加傾向に、85パーセントのライブラリアンは満足しているそうです。
ですが、図書館を取り巻く状況は明るい面ばかりではないようです。図書館の役割が増大しているにもかかわらず、判例集や法令集のデータベース化が進み冊子体の購入を中止した結果、ライブラリーの面積が削られ閲覧座席数が大幅に減少したり、電子媒体の値上がりで冊子版よりもコストが増大し、大きな事務所の図書館では予算の増額分がそのまま、電子資料のコストアップに持って行かれたりといった問題もあるそうです。

Beyond the Books
http://www.law.com/jsp/tal/PubArticleTAL.jsp?id=1151325325607

The Changing Nature of Law Librarianship & What It Means
for a Law Firm’s Bottom Line
http://www.resourceshelf.com/2006/07/13/law-librarians-look-beyond-books/