2020年におけるEurope PMCの進捗:導入された新機能等(記事紹介)

生物医学分野のオープンアクセス(OA)リポジトリEurope PMCは、2021年1月14日付けのブログ記事で、2020年に達成された成果や導入された新機能を紹介しています。

ユーザー向けサービス、全文検索とブラウジング、コンテンツ強化、テキストとデータマイニングのサポート、ユーザーコミュニティといったテーマ別にまとめられており、そのうちユーザー向けサービスでは、以下の内容が紹介されています。

・引用分析プラットフォームSciteと提携し、「スマート引用」(smart citations)機能をプラットフォームに統合した。「スマート引用」は、引用のコンテキストとともに、引用された主張を支持しているかまたは異議をとなえているかの分類を提供する。論文の“Citations & Impact”タブから「スマート引用」の情報を参照できる。

・英国医学研究審議会(Medical Research Council:MRC)、国際開発に取り組む英国の政府部門及び研究助成機関のグループ“UK Collaborative on Development Research”(UKCDR)、感染症の研究を促進する研究助成機関のグループ“Global Research Collaboration for Infectious Disease Preparedness”(GLoPID-R)と提携し、新型コロナウイルス感染症の研究に関する助成情報を検索できる“COVID-19 grant finder”を構築した。

・論文ページに実装された“Claim to ORCID”ボタンを利用することで、論文とORCIDとのリンク付けがさらに容易となった。

・論文提出システムに新機能を実装することにより、Europe PMCの助成機関から助成を受けた研究者のPlan Sへの準拠を支援した。

Europe PMC in 2020: a year review(Europe PMC, 2021/1/14)
http://blog.europepmc.org/2021/01/europe-pmc-in-2020-year-review.html

参考:
Europe PMC、プレプリントサーバ“Research Square”に収録された4,500点以上の新型コロナウイルス感染症関連文献のインデクス化を完了
Posted 2021年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/43037

Europe PMC、新型コロナウイルス感染症に関する研究論文のプレプリント版についてXML形式のフルテキストを閲覧・再利用可能にするための新プロジェクトを発表
Posted 2020年6月16日
https://current.ndl.go.jp/node/41235

SAGE社とscite、スマート引用によって発見可能性と再現可能性を向上させるため、索引付けについての協定を締結
Posted 2021年1月21日
https://current.ndl.go.jp/node/43041

否定的な引用と出版後の査読プラットフォームが論文の訂正・取り下げに与える影響(文献紹介)
Posted 2020年6月25日
https://current.ndl.go.jp/node/41347