英・Birmingham Museums Trust、バーチャル空間で美術作品の展示を作成できるオンラインゲームと提携

2020年11月18日、英・バーミンガム美術館等の9のミュージアム(総称は“Birmingham Museums”)を運営する英・Birmingham Museums Trustは、バーチャル空間で美術作品の展示を作成できるオンラインゲーム“Occupy White Walls”(OWW)との提携を発表しました。発表によれば、OWWと提携する初の“official museum”です。

Birmingham Museumsの所蔵品200点の画像(いずれもパブリックドメイン)がOWW上で利用可能となっており、今後の計画として、Birmingham Museumsがオンラインデータベースで提供しているパブリックドメインの全画像をOWWにアップロードするとしています。また、OWWではバーミンガム美術館の公式デジタル版への訪問も可能となっています。

発表では、英国での新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンのため、家で過ごす時間の増加やミュージアムの休館が発生していることに触れ、今回の連携によってOWWのプレイヤーは外出せずに世界中の美術館から作品を見つけ、展示をキュレーションできるようになると述べています。人々とコレクションの関わりについてのデータ収集・分析が可能となる点にも触れています。

OWWは英・ロンドンに拠点を置くスタートアップ企業StikiPixelsにより作成されました。現時点で75,000人超のユーザーを有していること、ユーザーの好みをAIが学習し、新たな作品の発見を支援する機能を備えていること、英・ナショナル・ギャラリーや米・メトロポリタン美術館といった美術館の所蔵品画像(パブリックドメインのもの)もOWWで利用可能であること等も紹介されています。

Going global in lockdown – Birmingham Museums becomes first official museum to partner with Occupy White Walls(Birmingham Museums, 2020/11/18)
https://www.birminghammuseums.org.uk/blog/posts/going-global-in-lockdown-birmingham-museums-becomes-first-official-museum-to-partner-with-occupy-white-walls

Online game enables users to curate Birmingham Museums collections(Museums Association, 2020/11/23)
https://www.museumsassociation.org/museums-journal/news/2020/11/online-game-enables-users-to-curate-birmingham-museums-collections/
※英国博物館協会(MA)のウェブサイト上で公開された本提携の紹介記事です。

参考:
台湾・故宮博物院、ビデオゲーム「あつまれ どうぶつの森」向けのオープンデータコーナーを開設:「翠玉白菜」「肉形石」などの収蔵品データを提供
Posted 2020年5月22日
https://current.ndl.go.jp/node/41014

東北大学附属図書館、「Go to 図書館」キャンペーンの一環として「百鬼夜行展」を開催:同館Twitter・Instagramで任天堂「あつまれ どうぶつの森」で使えるマイデザインを公開
Posted 2020年11月27日
https://current.ndl.go.jp/node/42638