2020年8月21日付で、ベルリン・フンボルト大学(ドイツ)が運営するオープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“edoc-Server”に、ドイツのネットワーク情報イニシアチブ(DINI)による文書“DINI Certificate for Open Access Repositories and Publication Services 2019”が公開されています。
学術研究において、出版は科学的な知識や科学全体の発展にとって重要な柱となる営みです。学術コミュニティにおけるその重要な特徴として、著者及び潜在的な読者を含む研究者間の効果的なコミュニケーションを組織化し学術情報の適切な普及を確保すること、出版物の利用者である研究者に品質や著作権等に関する十分な信頼性の存在を伝達すること、引用・長期的な可用性等により持続可能性と検証可能性を保障することの3点が挙げられます。
DINIの電子出版に関するワーキンググループは、こうした出版に関する共通認識を前提に、出版一般への期待をOAリポジトリ・OAジャーナル等の具体的なOA出版サービスのケースに変換することで、これらのサービスが必要とする最低限度の基準の一覧を作成しました。DINIが作成・公開した文書は、サービスの視認性・運営上のガイドライン(ポリシー)・著者や出版者への支援・法的側面・情報セキュリティ・メタデータの索引化や提供のためのインターフェース・公開された指標による利用統計・長期保存の8つの観点について、それぞれ最低限度の基準と推奨基準を示しています。
DINI Certificate for Open Access Repositories and Publication Services 2019(edoc-Server,2020/8/21)
http://dx.doi.org/10.18452/21759
参考:
E2296 – データリポジトリの信頼性に関するTRUST原則
カレントアウェアネス-E No.397 2020.09.03
https://current.ndl.go.jp/e2296
E1888 – 信頼できるデータリポジトリの中核的な統一要件
カレントアウェアネス-E No.320 2017.02.23
https://current.ndl.go.jp/e1888