シンガポール国家図書館委員会(NLB)、シンガポール国立博物館(NMS)と共同で、新型コロナウイルス感染拡大下の体験の記録の提供を呼びかけ

2020年5月22日、シンガポール国家図書館委員会(NLB)が、シンガポール国立博物館(NMS)と共同で、新型コロナウイルス感染拡大下の体験の記録の提供を同国の個人・コミュニティ・団体に対して呼びかけています。

この期間の生活の全体像を把握し、国の歴史やアーカイブに加え、この通常とは異なる期間に関する次世代の理解を豊かにすることが目的で、12月31日まで行われます。

“Documenting COVID-19 in Singapore”という名前の同プロジェクトは、NLBが2月から行っている新型コロナウイルス感染症に関するウェブサイトやテレビ放送のアーカイブや、写真・エフェメラの収集を補完するものとして位置付けられています。また、NMSにおいて継続的に取り組まれている同国の近現代史の重要な瞬間を記録する“Collecting Contemporary Singapore”プロジェクトの一環としても位置付けられています。

提供を呼びかける記録としては、(1)日常生活の変化、家での過ごし方や家族や友人との繋がり方、記念日等でのお祝いの仕方、近所の様子や生活の変化とそれへの感じ方、直面した課題とその克服方法・対処方法、不確実な時代において幸せ・希望・励ましを与えてくれる瞬間やストーリー等、(2)医療従事者・ボランティア・必要不可欠なサービスの職員といった最前線で働く人の、当該期の生活や生活の変化への対応、変化への対応に関する感情、この時期に体験した親切な行為、に関するものがあげられています。

動画・音声・写真・フライヤー・ポスター・ブログ・日記についてはNLBが提供用のウェブページを設けています。物資料やそれに付随するストーリーに関する画像、新型コロナウイルス感染拡大下の生活や体験を表す物資料(手作りのポスターや標識、手縫いのマスク等)についてはNMSのガイドラインを参照するようにとしています。

その他、NLBでは、収集対象となるウェブサイトやブログの推薦、日記やエフェメラの寄贈も呼びかけています。

同プロジェクトでは、新型コロナウイルス感染症の記録化に関心のある組織やコミュニティ、既に同様のプロジェクトを実施している組織やコミュニティの支援も予定しています。

Media Releases(NLB)
https://www.nlb.gov.sg/About/PressRoom/MediaReleases.aspx
※22 May 2020欄に「The National Library Board and the National Museum of Singapore jointly invite the public to contribute records of their everyday experiences during the COVID-19 pandemic」とあります。

The National Library Board and the National Museum of Singapore jointly invite the public to contribute records of their everyday experiences during the COVID-19 pandemic(NLB)
https://www.nlb.gov.sg/News/tabid/102/articleid/374/category/Media%20Releases/parentId/121/year/2020/Default.aspx

Collecting Today for Tomorrow: Documenting COVID-19 in Singapore(NLB)
https://www.nlb.gov.sg/GetInvolved/ContributeCreate/DocumentingCOVID-19.aspx

参考:
新型コロナウイルス感染症に関するデジタルアーカイブ研究会、「COVID -19に関するアーカイブ活動の呼びかけ」を発表
Posted 2020年5月12日
https://current.ndl.go.jp/node/40928

中国の博物館・図書館が「新型コロナウイルスとの闘い」に関する資料を収集中:行政資料や医療従事者の日記など
Posted 2020年3月4日
https://current.ndl.go.jp/node/40399

新型コロナウイルス流行下における地域の経験を記録する:デジタルアーカイブ作成の取組(米国)
Posted 2020年3月25日
https://current.ndl.go.jp/node/40591

オーストリア・ウィーンミュージアム、新型コロナウイルス流行下におけるウィーンの状況を示す写真の提供を呼びかけ
Posted 2020年3月27日
https://current.ndl.go.jp/node/40630

新型コロナウイルス流行下の社会の記憶を収集・アーカイブするプロジェクト“coronarchiv”(ドイツ)
Posted 2020年4月8日
https://current.ndl.go.jp/node/40731

ルクセンブルク大学近代デジタル歴史ルクセンブルクセンター、新型コロナウイルス感染拡大下の生活に関する写真・動画等の投稿が可能なプラットフォーム“COVID-19 memories”を開設
Posted 2020年4月14日
https://current.ndl.go.jp/node/40764

関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)、関西大学デジタルアーカイブANNEXで「コロナアーカイブ@関西大学」を開始:新型コロナウイルスの影響を受けている関西大学の構成員の日々の記録と記憶を保存・公開
Posted 2020年4月20日
https://current.ndl.go.jp/node/40809

浦幌町立博物館(北海道)、新型コロナウイルス感染症に関する資料を収集中:臨時休館ポスターやテイクアウト・タイムセール自粛・窓口時間短縮のお知らせ等
Posted 2020年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/40897

ニュージーランド国立図書館(NLNZ)、新型コロナウイルス感染拡大下の生活を記録化する方法を紹介:記録の寄贈も呼びかけ
Posted 2020年5月12日
https://current.ndl.go.jp/node/40921

中国国家図書館、中国における「新型コロナウイルス感染症との戦い」に関する資料のアーカイブ構築計画を発表
Posted 2020年5月18日
https://current.ndl.go.jp/node/40971

オーストラリア国立図書館(NLA)、新型コロナウイルス感染症関係のエフェメラを収集中
Posted 2020年5月20日
https://current.ndl.go.jp/node/40984