2020年1月28日・29日に、研究データ公開プラットフォームfigshare上で、報告書“The Atlas of Digitised Newspapers and Metadata: Reports from Oceanic Exchanges”と同報告書内で扱われている様々なデジタル化された新聞データベースで用いられている全てのメタデータのマッピング結果が公開されました。
これらは、大規模データ解析を活用した人文・社会科学研究助成プログラム“Digging into Data Challenge”の2016年の助成対象となった研究プロジェクトである“Oceanic Exchanges”による研究成果物です。“Oceanic Exchanges”は、豊富で急速に流通する情報による世界的な文化を生み出した19世紀の新聞の劇的拡大を背景とした研究プロジェクトです。フィンランド・ドイツ・メキシコ・オランダ・英国・米国の研究機関が参加し、国境・言語を越えた情報フローのパターンを調査するため、2017年から2019年にかけてこれら6か国のコンピューターを用いた先進的な定期刊行物研究を結集させて研究プロジェクトが進められました。
研究プロジェクトでは、プロバイダーの協力の下、アグリゲーターのEuropeanaを含め10種類の定期刊行物を含むデータベースへの大規模データ解析が実施されました。報告書では、データベースの歴史等と関連したデジタル化された新聞の言語・新聞用語の発展・利用可能な様々なメタデータに関する詳細な調査の結果や、新聞の巻号・ページ・記事執筆者に関する機械可読な情報がデジタルファイル内で原コンテンツ・原テキストとともにどのように保存されているかの調査結果、研究分野の内外で利用可能な統制語彙等が示されています。
研究成果物はfigshareの他、“Oceanic Exchanges”が構築した専用のウェブサイト上でhtml版が公開されています。
The Atlas of Digitised Newspapers and Metadata: Reports from Oceanic Exchanges(figshare,2020/1/28)
http://www.doi.org/10.6084/m9.figshare.11560059
Full Map of Digitised Newspaper Metadata(figshare,2020/1/29)
http://www.doi.org/10.6084/m9.figshare.11560110
Oceanic Exchanges
https://oceanicexchanges.org/
Project Outcomes(Oceanic Exchanges)
https://oceanicexchanges.org/outcomes/
The Atlas:Mapping the Histories and Data of Digitised Newspapers Collections Around the World
https://www.digitisednewspapers.net/
関連:
Oceanic Exchanges: Tracing Global Information Networks In Historical Newspaper Repositories, 1840-1914 (OcEx)(Digging into Data Challenge)
https://diggingintodata.org/awards/2016/project/oceanic-exchanges-tracing-global-information-networks-historical-newspaper
参考:
英・米・加の4研究機関が合同で、大規模データ解析を利用した人文・社会科学の共同研究を募集
Posted 2009年2月13日
https://current.ndl.go.jp/node/11814
大規模データ解析を活用した人文・社会科学研究助成プログラム“Digging into Data Challenge”の報告書が公表
Posted 2012年6月13日
https://current.ndl.go.jp/node/21074
大規模データ解析を活用した人文・社会科学研究助成プログラム“Digging into Data Challenge 2013”、受賞14チームが発表
Posted 2014年1月16日
https://current.ndl.go.jp/node/25256