文献管理ツールZotero、論文撤回監視サイトRetraction Watchとの連携によりライブラリ内の撤回論文自動通知サービスのベータ版を提供

2019年6月7日、文献管理ツールZoteroは論文撤回監視サイトRetraction Watchとの連携による、Zoteroのライブラリ内の撤回論文自動通知サービスのベータ版提供を発表しました。

このサービスを利用すると、ライブラリ内にある撤回済の論文にはフラグが立てられ、該当論文をクリックすると警告や撤回に関する詳細、追加情報へのリンク等が表示されます。また、プラグインを追加した文書作成ソフトで撤回済の論文を引用しようとすると、引用するかどうかを確認する警告が表示されます。

現在この機能の利用は、Retraction Watchが保存する1万9,000件以上のデータの約4分の3にあたる、DOIまたはPMID(PubMed ID)が付与された撤回済論文に限定されていますが、将来のアップデートで識別子の付与されていない論文についても可能な限りの対応を目指す、としています。

Available for beta testing: Retracted paper notifications(Zotero,2019/6/7)
https://forums.zotero.org/discussion/77711/available-for-beta-testing-retracted-paper-notifications

Want to check for retractions in your personal library — and get alerts — for free? Now you can(Retraction Watch,2019/6/12)
http://retractionwatch.com/2019/06/12/want-to-check-for-retractions-in-your-personal-library-and-get-alerts-for-free-now-you-can/

参考:
文献管理ツールZotero、無料公開の研究論文に誘導するサービスUnpaywallと連携
Posted 2018年10月12日
http://current.ndl.go.jp/node/36814

Center for Open Science(COS)と論文撤回監視サイトRetraction Watchが論文撤回データベースを作成することに関して技術的に提携
Posted 2015年11月26日
http://current.ndl.go.jp/node/30060