ORCID、会員のニーズ調査の結果をまとめた報告書を公開

2019年3月5日、ORCIDが、2018年9月から11月にかけて実施した会員機関のニーズ調査の結果を報告書としてまとめ公表しました。

得られた知見として以下の点をあげています。

・研究者の曖昧性の排除がORCIDに参加した最大の理由であり、研究者を支援するためにORCIDを導入していると多くの会員機関が回答している。一方で、機関採用がORCIDを実装するための最大の課題とみなされている。
・APIの利用が最も価値のある会員特典であるが、ORCID統合の構築・評価・開始はORCIDを実装する上で最も困難な点であると考えられている。
・ORCIDとのコミュニケーションは高評価で、技術文書も高得点を得ているが、自由に利用できるアウトリーチ活動のためのリソースを使用しているのは約1/3である。
・会員機関はORCIDに関しておおむね肯定的である。
・自身や組織、研究者におけるORCIDの価値の理解、証明能力向上のため努力している。

また、上記ニーズに対応するために、すでに以下を開始していると発表しています。

・容易にORCID統合を可能とする RIPEN (Research Information Platform ENgagement) プログラムの開始。
・ORCID統合を経た後のユーザーエクスペリエンスの向上への取組
・ORCIDの成功と成果を記録化し共有するための事業に基づいての成功事例共有及びギャップの理解・解消。
・アウトリーチ活動のための追加のリソース開発。

ORCID Member Survey Report(ORCID,2019/3/5)
https://orcid.org/blog/2019/03/05/orcid-member-survey-report

ORCID 2018 MEMBER SURVEY [PDF:234.27KB]
https://doi.org/10.23640/07243.7773962.v1

参考:
ORCID,Inc、研究者コミュニティーのORCIDに対する意識調査の報告書を公開
Posted 2017年11月14日
http://current.ndl.go.jp/node/34994

ORCID,Inc、ORCIDコンソーシアムのORCIDに対する意識調査の報告書を公開
Posted 2017年11月15日
http://current.ndl.go.jp/node/35003

CA1880 – 動向レビュー:ORCIDのコミュニティ展開ー日本での実装に向けてー / 宮入暢子
カレントアウェアネス No.329 2016年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1880