Macmillan社傘下のTorが電子書籍の新刊の図書館への販売を4か月遅らせると発表したことに対し、2018年7月19日、米国図書館協会(ALA)が声明を発表しました。
ALA会長のLoida Garcia-Febo氏は、図書館の貸出が売り上げに影響を及ぼしているというTorの主張は、古臭く実証されていないとし、図書館への予告や議論なく実行されたことは図書館の読者と作家への献身を損なうものとしています。また、Macmillan社が関わっている、図書館での所蔵が図書の発見・著者のブランド開発・販売に与える影響を理解するためのプロジェクト“Panorama Project”との齟齬を指摘し、Macmillan社に対して、この決定を取り消すよう求めています。
また、カナダ都市図書館協議会(CULC)は、Pilar Martinez議長名でTorに送付した書簡において、CULCは活気のある出版業界の長期的健全性と成長能力に依拠しており、目標達成のため出版者と協力したいと述べています。そして、Tor・著者・公共図書館・読者に利益をもたらす選択肢について議論し理解するための会合を調整するために8月14日に連絡を取りたいとしています。
ALA: New Tor delay on library ebooks hurts readers, authors and libraries(ALA,2018/7/19)
http://www.ala.org/news/press-releases/2018/07/ala-new-tor-delay-library-ebooks-hurts-readers-authors-and-libraries
CULC/CBUC responds to TOR Library Embargo
http://www.culc.ca/news/post/CULCCBUC-responds-to-TOR-Library-Embargo.aspx
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SF出版レーベルTorがEブック新刊を図書館に出すのを4ヶ月延期へ(hon.jp DayWatch,2018/7/21)
https://hon.jp/news/1.0/0/12049