米・イリノイ大学アーバナシャンペーン校のiSchool、図書館・公文書館による無形文化遺産の保護をテーマとしたホワイト・ペーパーを公表

2017年9月14日 イリノイ大学アーバナシャンペーン校のiSchoolが、図書館・公文書館による無形文化遺産の保護の可能性についての議論・研究の活性化を目的としたホワイト・ペーパー“Libraries and Archives and the Preservation of Intangible Cultural Heritage: Defining a Research Agenda”を公表しました。

米国内の様々な無形文化遺産の保護にかかわる研究者や実務家と連携して行なわれた無形文化遺産の保存プロジェクト“Preserving Intangible Cultural Heritage project”の一環です。

ホワイト・ペーパーでは、これまで有形文化遺産の保護に関する研究が中心であった図書館情報学において、無形文化遺産の保護において有用と考えられる分野について以下のように指摘しています。

・無形文化の実践における有形文化の役割に関する研究
・図書館や公文書館が所蔵するる有形の文化遺産がコミュニティ内での無形文化遺産の伝播に果たした役割につての研究
・無形文化遺産のリスク評価のための枠組みの策定
・無形文化遺産の保護に役立つ図書館・公文書館所蔵資料の目録化
・無形文化遺産を所持しているコミュニティとの連携を通じた無形文化遺産と図書館・公文書館所蔵資料との関係性を明らかとなる記述方法や分類方法の開発
・無形文化遺産の維持に関する政府や組織による政策の影響の研究

iSchool faculty release white paper on preserving intangible cultural heritage (School of Information Sciences University of Illinois at Urbana-Champaign,2017/9/14)
https://ischool.illinois.edu/articles/2017/09/ischool-faculty-release-white-paper-preserving-intangible-cultural-heritage

Libraries and Archives and the Preservation of Intangible Cultural Heritage: Defining a Research Agenda
http://hdl.handle.net/2142/97228

参考:
スコットランド国立図書館、デジタル環境下での無形文化遺産の保存とアクセスの保証についての新しいモデルを評価するプロジェクトへ参加する大学院生を募集
Posted 2016年3月31日
http://current.ndl.go.jp/node/31194

八戸三社大祭の開催記録や資料等を収録した「八戸三社大祭デジタルアーカイブ」が公開
Posted 2016年2月16日
http://current.ndl.go.jp/node/30750

被災地における無形文化遺産の所在位置・被災状況をマッピングした「無形文化遺産マップ」が本格公開
Posted 2013年3月7日
http://current.ndl.go.jp/node/23034