オーストラリア、今後10年間の研究基盤開発の優先事項をまとめたロードマップの草案を発表

オーストラリアの教育省(Department of Education and Training)が、今後10年間の研究基盤開発の優先事項について定めた“2016 National Research Infrastructure”の草案を2016年12月5日に公開したことを受け、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、その草案について紹介しています。

草案では、地域や産業界に利益をもたらしながら、既存のパラダイムを転換させるような研究を推進することができる9つの重点分野の研究基盤に焦点があてられ、人文・社会科学分野のプラットホームでは、“Atlas of Living Australia”及びオーストラリア国立図書館(NLA)の“Trove”が単一分野のアプローチを超えた良い事例として言及されているとのことです。

また、コレクションのデジタル化手段の調整と、既存のプラットフォームやデジタルコレクションの国際的な相互運用可能性の保証の必要性が指摘されていることや、先住民研究や、オーストラリアの文化財を活用できるプラットフォームの調整など、人文・社会科学分野での統合や調整について改善が求められていることが紹介されています。

草案へのコメントが、2017年1月16日まで求められています。

Trove in Draft 2016 National Research Infrastructure Roadmap(ALIA,2016/12/6)
https://www.alia.org.au/news/14943/trove-draft-2016-national-research-infrastructure-roadmap

2016 Roadmap Update(Department of Education and Training,2016/12/5)
https://www.education.gov.au/news/2016-roadmap-update-0

Draft 2016 National Research Infrastructure Roadmap(Department of Education and Training,2016/12/5)
https://docs.education.gov.au/node/42216

参考:
オーストラリア国立図書館の情報探索システム“Trove”がバージョン7にアップデート
Posted 2016年3月2日
http://current.ndl.go.jp/node/30909

オーストラリアの生物多様性を伝えるデータベース“Atlas of Living Australia”、レコード件数が4,000万件を突破
Posted 2013年9月13日
http://current.ndl.go.jp/node/24374