Taylor & Francis社が、2016年7月付けで、研究者の査読に関する意識や、査読に関するトレーニングや支援の実態について調査した報告書“Peer review : A global view”を公開しています。
オンライン調査と、中国・南アフリカ・英国でのグループ対話形式でのインタビュー調査に基づいており、世界中の自然科学・社会科学・医学・人文学分野の6,300名からの回答を集計しています。
・査読未経験の研究者の2/3以上(人文・社会科学:72%、STM分野:69%)が査読をしたいと考えている一方、雑誌編集者の60%が査読者を探すの困難と感じていること
・学界メンバーとしての役割を果たすことが、査読を引き受ける最も重要な動機で、回答者の半数程は、10~50件の査読経験があること
・STM分野の16%、人文・社会科学分野の10%の回答者が、彼らのキャリアの中で100件以上の査読を行っていること
・査読する最も良い動機付けはジャーナルへのフリーアクセスの許可であること
・現在の査読者の10人に1人は査読についてのワークショップや公式なトレーニングを受けている一方、半数を超える研究者がそのような種類のトレーニングの受講を望んており、多くは査読の技術に自信を持っていないこと
・2/3以上の回答者が、編集ガイドラインの受領、ワークショップや公式なトレーニングの受講、出版ガイドラインの受領を望んていること
等が指摘されています。
Twitter(@tandfnewsroom,2016/7/11)
https://twitter.com/tandfnewsroom/status/752469159162896384
Over two thirds of researchers who’ve never peer reviewed would like to, new research reveals(Taylor & Francis,2016/7)
http://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/news/press-release/peer-review-research#.V4boM1KQZ1G
Motivations, training and support in peer review(Taylor & Francis)
http://authorservices.taylorandfrancis.com/peer-review-global-view/
Peer review : A global view
http://authorservices.taylorandfrancis.com/wp-content/uploads/2016/07/Peer-review-supplement-motivations-and-support.pdf
Peer review | a global view (Youtube,2016/7/7)
https://youtu.be/3tbkKjvJgB8
※Taylor & Francis社のチャンネル
参考:
Taylor & Francis社が査読に関する意識調査結果をまとめたホワイトペーパー”Peer review in 2015”を公開
Posted 2015年10月27日
http://current.ndl.go.jp/node/29788
米国大学出版協会、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブックを公開
Posted 2016年6月9日
http://current.ndl.go.jp/node/31769
CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤翔
カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1829