欧州のデジタル化統計調査プロジェクトENUMERATE、初の調査レポートを公表

欧州における文化遺産のデジタル化とデジタル保存、それらへのオンラインアクセスについての統計データを作成するプロジェクト“ENUMERATE”が、初の調査レポート“Survey Report on Digitisation in European Cultural Heritage Institutions 2012”(2012年5月付)を公開しました。ENUMERATEは、欧州委員会が助成し、英国のCollections Trustが実施しているもので、今回の調査について、欧州におけるデジタル化の現状を調べた初の大規模調査であるとしています。

調査は、オンラインで2012年2月1日から3月31日まで実施され、欧州29か国から2,500以上の機関が参加し、有効回答数は約2,000とのことです。主な調査結果として以下が指摘されています。

・文化遺産機関の83%が、デジタルコレクションをもっている
・全コレクションの20%がデジタル化されており、57%がまだデジタル化される必要がある。(残る23%についてはデジタル化の必要はない)
・文化遺産機関の50%以上がボーンデジタル資料を収集している
・34%の機関がデジタル化戦略を作成している
・85%の機関がデジタル化コレクションの利用状況を測るためのウェブ統計を利用している
・今後2年のうちに、Europeanaを通じてアクセスできるコレクションが現在の2倍になると予想されている
・平均して全文化遺産機関の職員の3.3%が、フルタイムでデジタル化に携わっている。

ENUMERATE Statistics
http://www.enumerate.eu/en/statistics/

Digitisation survey highlights major task facing Europe’s cultural institutions (Collections Link 2012/7/2付けの記事)
http://www.collectionslink.org.uk/discover/collections-development/1386-digitisation-survey-highlights-major-task-facing-europes-cultural-institutions-