英国のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)図書館とUK Council for Graduate Education(UKCGE)が、共同で、“Electronic doctoral theses in the UK: a sector-wide survey into policies, practice and barriers to Open Access”という報告書を公表しました。同報告書は、英国情報システム合同委員会(JISC)の助成を得て2010年に行われた、学位論文のオープンアクセス(OA)化の現状、各機関の方針、公開への障壁等に関する調査の結果をまとめたもので、英国内の144の高等教育機関から回答が得られたとされています。その結果、以下のようなことが判明したそうです。
・5年後には、回答機関の81%が学位論文をOAで公開していることになる見込みである。
・回答機関の50%が機関リポジトリを開設している。
・回答機関の63%が学位論文の電子投稿を受け付けており、49%が電子投稿を義務化している。
・学位論文公開に当たっての最大の障壁は、それらが個人情報等の取扱注意な内容(sensitive content)を含んでいることである。
・電子的学位論文の長期保存については注目が薄い。
Electronic doctoral theses in the UK: a sector-wide survey into policies, practice and barriers to Open Access
http://discovery.ucl.ac.uk/1339905/
Influencing the Deposit of Electronic Theses in UK HE
http://www.ucl.ac.uk/ls/etheses/
Open access to electronic theses soon to be commonplace (JISC 2012/2/20付けニュース)
http://www.jisc.ac.uk/news/stories/2012/02/theses.aspx
参考:
NII、博士論文ニーズ調査(利用面・発信面)結果報告を発表
http://current.ndl.go.jp/node/9122
BL、全英学位論文サービス”EThOS”を試験公開 – はやくも最もポピュラーなサービスに
http://current.ndl.go.jp/node/13033
“DART-Europe”への登録大学数が300を突破
http://current.ndl.go.jp/node/17154