隠れた障壁:目に見えない病気や障害を持つ学術図書館員とアーキビストの経験(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセスの査読誌“College & Research Libraries”(C&RL)の第84巻第5号(2023年)に、“Hidden Barriers: The Experience of Academic Librarians and Archivists with Invisible Illnesses and/or Disabilities”が掲載されています。著者は米・ウエストチェスター大学の司書兼助教のKatelyn Quirin Manwiller氏等です。

文献調査と質問調査を通して、目に見えない病気や障害を持つ学術図書館員やアーキビストの経験の記録や職業上の障壁の特定が試みられています。

質問調査では、目に見えない病気や障害を持つ学術図書館員等から300の有効回答が得られたとあります。職場における病気や障害の開示状況、雇用に至るプロセス、専門能力開発等に関する質問への回答結果がまとめられているほか、学術図書館の今後に対する提言も示されています。

Manwiller, Katelyn Quirin et al. Hidden Barriers: The Experience of Academic Librarians and Archivists with Invisible Illnesses and/or Disabilities. College & Research Libraries. 2023, 84(5), p. 645-677.
https://doi.org/10.5860/crl.84.5.645

参考:
独・ベルリン中央州立図書館(ZLB)、2020年の「ベルリン・インクルージョン賞」を受賞:重度障害を持つ職員の積極的な雇用が評価 [2020年11月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/42583

北米研究図書館協会(ARL)、“Research Library Issues”286号を刊行:多様性とその研究図書館における受容を特集 [2015年04月28日]
https://current.ndl.go.jp/car/28386