2023年3月9日、スペイン語等の電子書籍配信を行うLibranda社が、電子書籍に関する2022年報告書を公開しました。
主にスペイン語のデジタルコンテンツを配信している同社は2010年にスペインの出版社7社により設立され、2018年からはカナダのDe Marque社の傘下に入っています。
年次報告書の概要では、以下のポイントなどが挙げられています。
・2022年のスペイン語電子書籍市場は、全世界で前年比4%、スペインでは5%の成長となった。
・スペイン国内の2022年のデジタルシェアは6.6%であり、新作に限れば15%~25%である。
・全世界のスペイン語電子書籍市場(教科書を除く)は、2022年に1億1,900万ユーロ(うちスペイン:7,900万ユーロ、その他各国合計4,000万ユーロ)に達したと試算される。
・スペイン語電子書籍の主要市場はスペインで(ユーロ換算で66.3%のシェア)あり、次いでメキシコ(16.2%)、米国(9.8%)が続く。
・図書館の電子貸出は、前年比33%増と異例の伸びを示している。これは、スペインの文化・スポーツ省が次世代基金の支援を受けて国内の公共電子図書館サービス向けに電子書籍とオーディオブックのライセンスを大幅に取得したこと、またスペインとラテンアメリカの学校・教育機関の図書館でデジタルコンテンツの取得が大幅に増加したことによるものである。
@LibrandaDigital(Twitter, 2023/3/9)
https://twitter.com/LibrandaDigital/status/1633814408806768640
Informe annual del libro digital 2022 [PDF:64ページ]
https://libranda.com/wp-content/uploads/2023/03/Informe-anual-del-libro-digital-2022.pdf
参考:
スペインにおける読書習慣と書籍購入に関する2022年調査:読書率は10年で5.7ポイント上昇し、特に若者で顕著(記事紹介) [2023年03月14日]
https://current.ndl.go.jp/car/174123
スペインの文化・スポーツ省、電子書籍等のオンライン無料貸出サービス“eBiblio”の2022年統計を公開 [2023年03月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/173703
電子書籍ライセンスを国が購入し公共図書館を通じて提供へ 背景には不正利用の横行も(スペイン) [2013年07月04日]
https://current.ndl.go.jp/car/23866
スペインの電子書籍販売プラットフォーム“Libranda”ベータ版が公開される [2010年07月21日]
https://current.ndl.go.jp/car/16533