深刻な財政難に陥っている米国カリフォルニア州で、州から資金を受けていた大学図書館も危機的状況にあると報じられています。
カリフォルニア州立大学は全学で、副学長以上相当の役職の給与の凍結、必要不可欠な役職を除く役職の採用の凍結、必要不可欠でない設備・物品購入のキャンセル、教職員の旅費の制限などの措置を取ると2009年1月9日に発表しています。州内23のキャンパスの新規事業もすべて中断・取りやめとなり、この中には新館建設のための資金を寄付等で集めていたドミンガス・ヒルズ校(CSUDH)図書館、同じく新館建設プロジェクトを進めていたサンフランシスコ州立大学ポール・レオナルド図書館も含まれています。学費の値上げ、奨学金の削減も予定されていますが、それでも必要経費には1,580万ドル以上足りない見込みとのことです。
また同じく州から資金提供を受けていたカリフォルニア南部の大学・学術図書館50以上が参加するコンソーシアム“Partnership Among South Carolina Academic Libraries”(PASCAL)は、州からの資金が90%削減(200万ドルから20万ドルに)されたことを受け、購読契約が必要なデータベースの削減を余儀なくされました。法律情報等のデータベース“LexisNexis”の契約を打ち切ったほか、Nature、Science等の電子ジャーナルも購読停止になりました。7,000タイトルほどのコアジャーナルについては購読を続けていますが、追加の資金を得られない場合、7月に全タイトルの契約を停止することになるとのことです。また書籍の速達ILLサービスも、週5日から3日になりました。PASCAL側はコンソーシアム参加費用の値上げを検討していますが、各大学への資金も減少している中では長期的な解決策とはならない見込みで、議員や学生団体等と連携して資金を復活してもらうよう求めたり、ウェブサイトでライブラリアンや教員・学生に危機を訴えかけてもらうアドヴォカシーを呼びかけたりといった活動も行っています。
CSU Adopts Cost Saving Measures as Governor Proposes 2009/10 Budget | CSU | Public Affairs
http://www.calstate.edu/PA/News/2009/budget_jan.shtml
California Budget Deficit Means Cuts at CSU, Freeze on Library Projects – 1/12/2009 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6628659.html
Library Capital Fund Enhancement Campaign – CSUDH
http://library.csudh.edu/capitalfund/
Library Building Project – J. Paul Leonard Library
http://www.library.sfsu.edu/about/building/index.php
Partnership Among South Carolina Academic Libraries – PASCAL’s Funding Crisis
http://pascalsc.org/content/view/173/1/
Partnership Among South Carolina Academic Libraries – Things you can do to help
http://pascalsc.org/howyoucanhelp.html
ALA | American Libraries – S.C. Universities Face Loss of Shared Database Subscriptions
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2009/January2009/PASCALmoneycrisis.cfm