英・Research England(RE)、高等教育機関による助成機関のOAポリシー遵守状況や課題等をまとめた報告書を公開

2018年6月14日、英国の大学の研究活動や知識交換活動への助成を担当するとともに、助成機関、大学と連携して研究評価制度(REF:Research Excellence Framework)を実施するResearch England(RE)が、報告書“Monitoring sector progress towards compliance with funder open access policies”を公開しました。

2017年に、HEFCE(イングランド高等教育助成会議)、ウェルカムトラスト、英国研究会議(RCUK)、Jiscにより、113の大学を対象に実施された調査結果をまとめたもので、調査では各セクターによる助成機関のOAポリシーの遵守方法や直面している課題が調べられています。

報告書では、研究成果の80%以上がREF2021のオープンアクセス(OA)ポリシーの要件を満たしていること、2016年4月1日から2018年3月31日までのゴールドOAのためのAPC費用の3分の2がRCUK・COAFから助成されていること、OAの課題、OAを監視するために使われる様々なシステムやソフトウェアについて述べられています。

また、システム間の相互運用性を高める必要性が指摘され、50%を超す大学が、この課題解消のためJiscのPublications Routerを採用予定との結果も紹介されています。

調査結果を受けて、ウェルカムトラストではOAポリシーを見直すことになったほか、英国リサーチ・イノベーション機構(UK Research and Innovation)では、来年、OA政策の内部レビューを行う予定です。

Over 80% of research outputs meet requirements of REF 2021 open access policy(RE,2018/6/14)
https://re.ukri.org/news-events-publications/news/oa-report-130618/

Monitoring sector progress towards compliance with funder open access policies [PDF:72ページ]
https://re.ukri.org/documents/2018/research-england-open-access-report-pdf/

関連:
【ニュース・イギリス】リサーチ・イングランド の会長にDavid Sweeney 氏を任命(海外学術動向ポータルサイト,2017/7/12)
https://www-overseas-news.jsps.go.jp/%E3%80%90%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%80%91%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%81%EF%BD%A5%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89/

参考:
CA1903 – 動向レビュー:研究助成機関によるオープンアクセス義務化への大学の対応―英国の事例― / 花﨑佳代子
カレントアウェアネス No.332 2017年6月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1903

英国のウェルカム・トラスト、オープンアクセス(OA)ポリシーの全体的な見直しを発表
Posted 2018年3月6日
http://current.ndl.go.jp/node/35592