カレントアウェアネス-E
No.49 2004.12.01
E273
Google,学術情報専用の検索エンジンを発表
エルゼビア社のScopus(E267参照)がリリースされて間もない11月18日,Googleが学術情報専用の検索エンジンGoogle Scholarを試験公開した。Google Scholarは,出版社,学協会,大学などのリポジトリやウェブサイトから,学術論文や学術出版物などのフルテキストや抄録について索引付けを実行し,キーワードや著者名で検索できるようにしたものである。検索結果から,オープンアクセスのものはフルテキストへ,ライセンス契約のものは出版社などの抄録ページへ,図書の場合はオンライン書店やOCLC Open WorldCat(E269参照)のレコードへナビゲートするというように,多様なリンクを提供するところが特徴となっている。また,論文相互の引用リンク機能も備えており,検索結果は引用件数によってランク付けされる。
図書館界の反応としては,オープンアクセス推進へつながる強力なツールとして歓迎する一方,索引付けの範囲や引用リンクによる重み付けのアルゴリズムなど,明らかにされていない部分への懸念の声も挙がっている。
なお,競合関係にあるYahoo!もOCLC Open WorldCatを直接検索できるツールバーを11月に発表しており,検索エンジンと図書館の連携を深める動きが活発化している。
Ref:
http://scholar.google.com/scholar/about.html
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb041122-1.shtml
http://www.biomedcentral.com/news/20041123/01/
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb041115-3.shtml
E267
E269