E247 – 北米研究図書館の動向−ARL統計から

カレントアウェアネス-E

No.45 2004.10.06

 

 E247

北米研究図書館の動向−ARL統計から

 

 米国研究図書館協会(ARL)が毎年発表しているARL統計に基づいて,1980年代半ば以降の北米の研究図書館(ARL加盟館)の業務やサービスの傾向をまとめた報告書(Research Library Trends)が9月にARLのホームページへ掲載された。貸出,レファレンス等の図書館サービス,図書・雑誌の購入費,図書館の支出,相互貸借の動向等の項目から構成されている。

 貸出数は1996年から,レファレンス数は1998年から減少に転じ,2000年には両者とも1991年のレベルを下回っている。また,館内利用も減少している。一方,相互貸借と図書館利用ガイダンスの数は増加している。これらの傾向の背景には,ウェブ等の情報技術の革新とそれに伴う情報アクセスに対する障壁の漸減という事情があり,北米の研究図書館はハイブリッド図書館モデルへの長い移行期の初期段階に位置しているとの認識を示している。

Ref:
http://www.arl.org/stats/arlstat/03pub/03intro.html
http://www.arl.org/stats/arlstat/graphs/2003/pubser03.pdf
http://www.arl.org/stats/arlstat/graphs/2003/supdem03.pdf