E246 – CIPAに基づくフィルタリングソフト導入から3か月(米国)

カレントアウェアネス-E

No.45 2004.10.06

 

 E246

CIPAに基づくフィルタリングソフト導入から3か月(米国)

 

 「子どもをインターネットから保護する法律(CIPA)」が2003年に最高裁により合憲と判断されたこと(E098参照)を踏まえ,米国の公共図書館では7月よりフィルタリングソフトの導入が始まっている(E220参照)。しかし,導入図書館の対応はまちまちで,米国図書館協会(ALA)知的自由部長のクラグ(Judith Krug)氏によると,71の導入図書館を対象に調査したところ,多くの図書館は成人から要求があった場合速やかにフィルタを止めるという措置をとっているが,中にはフィルタを使わない理由を利用者に尋ねる図書館もあるとのことである。

 こうした中,アリゾナ州のフェニックス市議会で9月8日,無制限のインターネット提供に反対する市長が中心となって,フェニックス公共図書館において成人のインターネット利用に制限を設けることが議決された。しかし,成人に対してはフィルタリングソフトを解除することも認めるCIPAの規定に反することから,利用者から提訴されることも予想されている。

 また,9月7日のALA E-rateタスクフォース会議において,CIPAは図書館職員のコンピュータにも適用されるという認識が十分ではないとの報告もあった。この報告によると,職員のコンピュータにはフィルタをかけていないという図書館が多く,かけている場合も機能の限られた安価または無料のフィルタリングソフトを利用している,とのことであった。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA452469
http://www.libraryjournal.com/article/CA452473
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/alnews2004/september2004abc/phoenixfilters.htm
E098
E220