カレントアウェアネス-E
No.5 2002.12.04
E031
第13回EAJRS年次大会 <報告>
去る9月25日から28日まで,日本資料専門家欧州協会(EAJRS, CA1463 参照)第13回年次大会が,フランスのパリ日本文化会館で開催された。「21世紀における図書館の役割:司書と利用者のパートナーシップ」をメインテーマとするこの大会には,ヨーロッパ各国および日米の14カ国から58名が参加し,5つのセッションで合計22の発表が行われた。日本からは国立国会図書館をはじめ10人が参加した。
初日のセッションでは,フランスにおける日本研究の現状や,言語と文化研究のための新しい大学図書館BULAC(Bibliotheque universitaire des langues et civilisations)の建設構想の紹介があった。3日目の特別セッション「21世紀の図書館」では,早稲田大学の高橋昇氏による”Japanese University’s International ILL Directory”の作成と,日本の大学図書館が海外から複写物等の提供を受ける数は年々増加しているが,海外から依頼を受けている数に比べて提供数は少ないという分析の報告が聴衆の関心を引いた。「21世紀の図書館の役割」と題されたラウンドテーブルでは,事前アンケートの回答によって選ばれたコメンテータによる活発な議論が交わされた。
最終日の総会では,新しい会長にウィリー・ヴァンドゥワラ教授(ルーバン・カトリック大学),事務局にポール・ワイスマン氏(ライデン大学)を選出し,終了した。
(報告:大塚奈奈絵)
Ref:
http://akira.arts.kuleuven.ac.be/EAJRS/archief/2002/prepro2002.html