PDFファイルはこちら
カレントアウェアネス
No.329 2016年9月20日
CA1883
動向レビュー
デジタル時代における国立図書館の蔵書構築―欧米国立図書館を対象とした調査報告―
収集書誌部国内資料課:吉家あかね(よしいえ あかね)
1. はじめに
デジタル形態の資料(以下、電子リソースとする)が普及し、様々な情報のネットワーク利用が急速に進む現代において、図書館の「蔵書」はもはや、有形物のみを意味するものではなくなっている。多くの図書館が電子リソースをその収集対象に加えている現在、図書館の蔵書構築の意味するところも大きく変化している。従来、蔵書構築とは単に資料を物理的に収集することと同義であったが、いまや、他機関の所蔵する資料、あるいはウェブ上で提供される様々な情報資源へのアクセス経路を構築し、保証することへと、その定義は拡がりつつある。「収集」対象となる資料の数とその収集コストの増大が避けられない中で、国立図書館は、その蔵書構築をどのように変化させつつあるのか―国立国会図書館(NDL)の蔵書構築においても、時代に即した抜本的な見直しが求められている今、他館の取組みからヒントを得るべく、筆者は2015年11月から12月にかけて欧米5か国の国立図書館9館を訪問し、各館の蔵書構築について調査を行った(表参照)。
表 調査対象館とその蔵書構築方針
国名 | 館名 | 蔵書構築方針(又は相当するもの) | 最終改訂年 |
米 国 | 米国議会図書館(LC) | Collections Policy Statements(1) | 2008 |
カナダ | カナダ国立文書館・図書館(LAC) | Library and Archives Canada 2016-2019 Acquisition Strategy(2) | 2016 |
ケベック州立図書館・文書館(BAnQ) | Politique de developpement des collections patrimoniales(ケベック州刊行物)(3) | 2013 | |
ドイツ | ベルリン国立図書館(SzB) | Grundsätze des Bestandsaufbaus(4) | 随時 |
ドイツ国立図書館(DNB) | Sammelrichtlinien(5) | 2014 | |
フランス | フランス国立図書館(BnF) | Charte documentaire politique d’enrichissement des collections(6) | 2008 |
英 国 | 英国図書館(BL) | From Stored Knowledge to Smart Knowledge: The British Library’s Content Strategy 2013-15(7) | 2013 |
スコットランド国立図書館(NLS) | Integrated Collecting Strategy(8) | 2008 | |
ウェールズ国立図書館(NLW) | Collections Development Policy(9) | 2010 | |
(参考)日本 | 国立国会図書館(NDL) | 資料収集方針書(10) | 2013 |
各館の蔵書構築方針を踏まえてヒアリングを行った結果、いくつか共通する課題が見られた。本稿では、これらの課題に対する様々な対応を取り上げながら各館の蔵書構築を紹介するとともに、現代における国立図書館の蔵書構築の意義をあらためて考えてみたい。
なお、本稿の内容は、脚注を付けた箇所を除き、ヒアリング時の知見を基にしたものであり、分析に当たる部分はすべて筆者の個人的見解である。
2. 収集対象・範囲の再定義
資料形態の多様化に伴い、収集対象とすべき資料の数が飛躍的に増大する一方で、収集予算や保存スペースに制約が生じる結果、各館とも何らかの形で収集対象・範囲の再定義を行っている。自国・地域で刊行される資料を収集するのは国立図書館としての責務であるが、それに加えて自国・地域関連資料をどの程度収集し、一般的な調査研究用資料をどの水準で維持するかといった判断は、各館の事情により様々である。
たとえばカナダ国立図書館・文書館(LAC)はその収集の主眼を国家の記憶継承に置き、収集対象を自国刊行・関係資料に絞っているため(11)、一般的な調査研究用コレクションの維持には消極的である。2013年末からは外国刊行資料の収集も行っていない(12)。これらは2012年の予算大幅削減を受けての方針転換と考えられるが、もともと利用者の約5割が系譜調査を目的としているとのことで(13)、自国関連の資料収集とオンライン提供を進める方針には、利用者の需要に応える一面もあると思われる。
比較的小規模な図書館においては、予算とスペースの制約が蔵書構築方針に及ぼす影響は特に大きい。スコットランド国立図書館(NLS)とウェールズ国立図書館(NLW)は、各地域における出版資料と関係資料を収集対象の中心に据えているが(14)、各地域と関連のない納本資料(15)も一般的な調査研究用資料として受け入れている結果、所蔵資料の多くを納本による英国刊行資料が占めているのが現状である。 NLSは現時点で、英国内の主要な出版物の9割近くを収集しているが、今後は書庫スペース確保のため、納本資料の受入基準を見直す可能性があるとのことであった。英国刊行資料については英国図書館(BL)での保存が保証されているため、受入範囲を狭める余地があるとの判断である。NLWもまた、英国刊行資料の増加に対応するため、利用が見込まれない納本資料を収集対象外としている。2010年に公開された戦略方針(16)では、9割超である納本資料の受入率を2020年までに6割まで下げる将来像を打ち出している。
また、NLS、NLWの両館とも、かつては人文科学分野を中心に外国資料の収集も積極的に行っていたが、現在は予算不足のため、外国資料を優先対象としていない。NLSは1995年にも予算難のため一時外国資料の収集を中止した経緯があるが(17)、現在は対象を絞って再開している。NLWは、今後ウェールズ関連出版物に収集の焦点を絞っていくとのことであった。
NLSとNLWが内向きの収集に傾いていくのとは対照的に、BLの蔵書構築方針自体には、収集対象を自国あるいは自国関連に限定する指向はなく(18)、一読する限り、予算上の制約を強く感じさせない。しかし実際は予算減を反映した選択的収集を行っており、蔵書構築方針もその実情を一層反映させたものに改訂中とのことである。政府からの予算は直近5年間一定しているが、経費の全体的な増加が避けられない状況では実質的な削減であるため、今後の予算配分次第では、たとえば科学技術分野の収集対象を北米の出版物に限定する可能性もあるとしている。利用が減少しているドキュメントサプライサービス(DSS)の収入減は、現時点で蔵書構築に影響を及ぼしていないが、今後は不明であるとのことであった。
昨今の方針変更によるものではないが、もともと自国の納本資料についても選択的収集を行っているのが米国議会図書館(LC)である。LCは法的に納本された国内刊行資料全てを受け入れているわけではなく、所蔵に適した資料か否かの選別を行っている(19)。米国に関する資料は収集の核のひとつであるが、それはそのまま国内刊行物の網羅的収集を意味するものではない。そもそも物理的にも経費的にも、全資料を保存することは現実的でなく、あくまで自費出版物の類を除く程度の基準を設けているにすぎないとの話であった。そうした事情はさておき、法制度に則って納本される資料が内容面から選別を受ける結果、必ずしも永久保存を保証されないことは、自国・地域出版物の網羅的収集を掲げる他の国立図書館と比較して特徴的である。第3代米国大統領ジェファソンの掲げた理念(20)のとおり、LCのコレクションはユニバーサルなものを目指し、あらゆる主題を網羅することを重視しているため、自国資料と他国資料の境界が目立っていないのも特徴のひとつである。
3. 電子リソースの収集とその手段
電子リソースの普及に伴い、その収集方針と方法も大きく様変わりしている。世界各国でオンライン資料の納本制度が整えられつつあり、ウェブリソースの自動収集もすでに多くの国々で行われている(E1662、E1793参照)。あわせて自動納本システムの構築も各国で進められており、たとえばフランスでは、2012年よりフランス出版協会及び文化通信省との協同により、電子リソースの自動納本システムを開発中である(E1634参照)。
カナダ・ケベック州の刊行物を収集保存する使命を担うケベック州立図書館・文書館(BAnQ)の場合、オンライン資料納本制度は未整備ではあるが、自発的な納入資料について自動納本システムが稼働している。デジタル出版物はEメールやエクストラネット(21)による納入も可能だが、BAnQは現在、実験運用中の電子書籍アグリゲータシステム(Entrepôt du livre numérique ANEL-De Marque)(22)を利用した自動納本の広報と普及に注力している。これは電子書籍の販売促進を目的に、ケベック州出版協会(ANEL)と民間デベロッパーのDe Marque社が共同開発したプラットフォームであり、BAnQへの自動納本ルートとしても機能している。自動収集されたコンテンツは、BAnQによりメタデータが付与された後、LACにも納本されるため、出版社は納本にかかる手間を省くことができる。
調査研究用コレクションについても、新しい選書・収集方法が試みられていた。ドイツ国内における調査研究用コレクションを所管するベルリン国立図書館(SzB)は、2015年秋までの2年間にわたって出版社のDe Gruyter社と提携し、利用統計を基にして電子書籍を購入するPatron-Driven Acquisitions(PDA)の実験を行った(23)。De Gruyter社から電子書籍約3万タイトルの試験的な提供を受け、一定期間を経た後に採取した利用統計の分析結果を基に、473冊を蔵書として購入したとのことである。2016年もこの手法に基づき収集を行う予定であるが、この手法はあくまで補完的に用いることとし、従来型の選書・収集手法に取って替えるものではないとしている。
同様にBLでも、科学技術分野の電子ジャーナルについては出版者から利用統計の提供を受け、選書の参考にしているとのことであるが、あわせて利用者へのアンケートも行っているという。ロンドンのセントパンクラス館の主な利用者である近郊在住の大学生らは、紙資料を利用することが多いため、利用傾向を把握するにあたって出版者側のデータが唯一絶対のものにはならないとの判断だった。
また、調査研究用電子リソースの収集については、その利用形態にあわせ、データファイルそのものを購入するか、アクセス権を購入するか、各館で選択が分かれている。いずれにせよ、高額な購入費用をいかに捻出するかが各館共通の課題であるが、国家レベルの政策あるいは地域コンソーシアムにより、購入を実現しているドイツやフランスの例がある。SzBはベルリン・ブランデンブルグ地域のコンソーシアム“Friedrich-Althoff-Konsortium e.V.”(24)やナショナルライセンス調達プロジェクト(CA1828参照)(25)、フランス国立図書館(BnF)は電子ジャーナルコンソーシアム“Consortium unifié des établissements universitaires et de recherche pour l’accès aux publications numériques:Couperin”(26)やナショナルライセンスプロジェクト(E1449参照)(27)による購入を行っている。ただし、こういったナショナルライセンス取得に対する各館の姿勢は、その性格や各国の政策により大きく異なる。たとえばLCは、館の独自性とサービス対象規模を理由に、電子ジャーナルのナショナルライセンス取得を非現実的としている。
4.紙か電子か
同一著作の資料について、紙資料と電子リソースのどちらを優先的に収集するかという選択も、館によって方針が異なる。
自館で保存責任を負う納本資料についての例を挙げると、たとえばLCでは最良版の定義により紙資料が優先されるが(28)、フランスでは著作そのもの以上に媒体を重視するため(29)、媒体が異なれば別の出版物とみなされ、紙とデジタル両方の納本が求められる。2015年3月、紙資料の出版物について、出版者によるBnFへの納本部数をこれまでの2部から1部に減らす方針(30)が確定したが、これは、同一著作を紙とデジタル両方で所蔵する未来を見据えた変更である。
LACは、その蔵書構築方針に電子リソース優先を明記し(31)、2017年以降は政府文書の収集を電子リソースに限定する旨を公表している(32)。もともとLACは2004年のカナダ国立文書館とカナダ国立図書館の合併以来(E014参照)、デジタル化社会への移行を見据え、オンラインサービス提供を基本とする電子図書館化戦略を前面に打ち出しており、電子リソース優先もその運営方針に沿ったものである。
それに対し、長期保存上の懸念から紙資料を優先するとしたのはSzBである。「書かれたもの」の文化を尊重する館の方針(33)に忠実であるべきとして、紙資料の収集を前提にするという話もあったが、実際には購入価格や利用形態等も考慮して、個別の判断が下されるとのことであった。
しかし、調査研究用の資料については、概して電子リソースを収集する動きが優勢である。特に科学技術分野は電子リソースと親和性が高く、たとえばBnFは調査研究用の科学技術資料について、電子リソースの購入にシフトする方針を明らかにしている(34)。BnFは従来、人文科学分野の蔵書構築に注力してきたが、今後も文化遺産継承と調査研究支援の両機能を維持するべく、科学技術資料の継続的な収集に取り組む姿勢が窺える。
長期的なコストを理由に、電子リソースを優先する館もある。BLの科学技術資料収集担当者は、分野によって判断基準が異なる可能性があるとしつつも、科学技術資料については、コスト上、紙より電子リソースが優先されるとした。たとえば電子ジャーナルのバックファイルを購入すると、紙媒体と比べて長期的なコストが10~15%低いことが判明している。閲覧室用、DSS用に紙媒体を1部ずつ購入するより、電子リソースを二つのサービスに供するほうが、予算面だけでなくメンテナンス面においても有利であるとの判断であった。
NLSは保存上の危惧が残るとしつつも、書庫スペース不足という物理的な問題を挙げ、電子リソースを優先するとした。NLWは遠隔利用の便も考慮し、納本資料も含め電子リソースを優先している。ただし、納本された電子リソースは、その利用条件を館内利用に限定するものが多いため、購入に及ぶケースもあるとのことだった。2館とも、自館の蔵書が地域住民の調査研究に有用なものであるべきとする姿勢は崩しておらず、電子リソースの購入によって一定レベルの利便性を確保しようとしている。
5. おわりに
デジタル時代における国立図書館の蔵書構築において、収集対象資料の数や収集コストの増大といった負荷を受け、各館が収集対象・範囲の再定義を図るのは必然的な流れである。しかし、そうした動きが進むにつれて、図書館が利用者の期待に沿うような資料を収集したり提供したりすることができなくなるのではないかという点が懸念される。たとえばLAC、NLS、NLWのように、予算上の制約により、調査研究用コレクションを縮小するほかないという負の影響も見受けられる。蔵書構築方針の転換は、館の運営戦略にも大きく影響するため、収集の実情が運営戦略に影を落とすリスクは今後も消えるものではないだろう。
しかし、各館の蔵書構築方針や戦略方針を概観する限り、悲壮感は漂っていない。潤沢な予算が保証されない状況下でも、多角的かつ野心的な全体ビジョンを掲げているBLのような例もある(35)。
NDLと異なり、プロジェクトごとに外部から予算を獲得する館が多いため、積極的姿勢の維持は外部へのアピールとして必須であろう。しかし、BnFが全分野の知の結集を目指すエンサイクロペディズムを、蔵書構築方針の筆頭に改めて掲げ、電子リソースの活用や他機関との連携によってそれを実現しようとしているように(36)、時代の変化を主体的に捉えなおし、運営戦略上の好機とみなす動きもある。その他の館でも、国立図書館の蔵書としての特性を再定義し、外部の信頼を獲得しなければならないという気概が感じられた。
雑多な情報のあふれる現代において、図書館の使命のひとつは、情報資源の構造化にある。分散された情報に、なんらかの有機的な関係性を与えること‐国立図書館としても、その展望に立って収集資料を選択し、蔵書全体の将来像を再構築すべき時にある。国立図書館は、デジタル時代という新しい局面下の蔵書構築において、いかに特色ある活路を見出しうるかが現在問われている。
(1)“Collections Policy Statements and Overviews”.
Library of Congress.
http://www.loc.gov/acq/devpol/, (accessed 2016-08-03).
(2)“Library and Archives Canada 2016-2019 Acquisition Strategy”. Library and Archives Canada.
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/about-us/Pages/acquisition-strategy.aspx, (accessed 2016-08-03).
(3)“Politique de developpement des collections patrimoniales”. Bibliotheque et Archives nationales du Quebec.
http://www.banq.qc.ca/a_propos_banq/mission_lois_reglements/lois_reglements_politiques/politiques_procedures/politique_dev_collections_patrimoniales/index.html, (accessed 2016-08-03).
(4)“Grundsatze des Bestandsaufbaus”. Staatsbibliothek zu Berlin.
http://staatsbibliothek-berlin.de/die-staatsbibliothek/abteilungen/bestandsaufbau/erwerbungsprofil/, (accessed 2016-08-03).
(5)“Sammelrichtlinien”. Deutschen Nationalbibliothek.
http://d-nb.info/1051940788/34, (accessed 2016-08-03).
(6)“La politique documentaire de la BnF”.Bibliotheque nationale de France.
http://www.bnf.fr/fr/la_bnf/anx_connaitr/a.politique_documentaire.html, (accessed 2016-08-03).
(7)“The British Library’s Content Strategy 2013-15”. British Library.
http://www.bl.uk/aboutus/stratpolprog/contstrat/, (accessed 2016-08-03).
(8)“Integrated Collecting Strategy”. National Library of Scotland.
http://www.nls.uk/media/22389/2008-collecting-strategy.pdf, (accessed 2016-08-03).
(9)“Collections Development Policy”. National Library of Wales.
https://www.llgc.org.uk/fileadmin/fileadmin/docs_gwefan/amdanom_ni/dogfennaeth_gorfforaethol/dog_gorff_pol_datblygu_casgliadau_10S.pdf, (accessed 2016-08-03).
(10)“資料収集方針書”.国立国会図書館.
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/collection/guideline.html, (参照 2016-08-03).
(11)“Library and Archives Canada 2016-2019 Acquisition Strategy”. Library and Archives Canada.
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/about-us/Pages/acquisition-strategy.aspx, (accessed 2016-08-03).
(12)ただし蔵書構築方針には、外国刊行資料を収集対象外とする旨の記述はなく、カナダ社会について記録された資料は国内外問わず収集対象とされているため、内部運用レベルの方針と思われる。
Ibid.
(13)LACのウェブサイトの参照回数も「系譜調査」に関するページが最多とされている。
“Annual Report 2015-2016” . Library and Archives Canada.
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/about-us/annual-reports/annual-report-2015-16/Pages/AnnualReport-2015-16.aspx, (accessed 2016-08-03).
(14)“Integrated Collecting Strategy”. National Library of Scotland.
http://www.nls.uk/media/22389/2008-collecting-strategy.pdf, (accessed 2016-08-03).
“Collections Development Policy”. National Library of Wales.
https://www.llgc.org.uk/fileadmin/fileadmin/docs_gwefan/amdanom_ni/dogfennaeth_gorfforaethol/dog_gorff_pol_datblygu_casgliadau_10S.pdf, (accessed 2016-08-03).
(15)NLSとNLWは英国に6館ある法定納本図書館の2つであり、出版者に納本を要求することができる(英国で出版された出版物は、出版者によってBL及び納本を要求した5つの図書館(NLS、NLW、オックスフォード大学ボードリアン図書館、ケンブリッジ大学図書館及びダブリン大学トリニティカレッジ図書館)に納本することとされている。)。実際は、出版者がBLに1冊、NLSの管理下にある納本エージェンシーThe Agency for the Legal Deposit Libraries(ALDL)のもとに5冊を送付し、各館の要求に応じてALDLから納本資料が送付されるという流れになっている。
“Agency for the Legal Deposit Libraries”. National Library of Scotland.
http://www.nls.uk/about-us/what-we-are/legal-deposit/print/agency, (accessed 2016-08-03).
(16)“Twenty-twenty: A long view of the National Library of Wales (2010)”. National Library of Wales.
https://www.llgc.org.uk/fileadmin/fileadmin/docs_gwefan/amdanom_ni/dogfennaeth_gorfforaethol/dog_gorff_gwel_2020S.pdf, (accessed 2016-08-03).
(17)“Slavonic and East European collections”. National Library of Scotland.
http://www.nls.uk/collections/foreign/slavonic, (accessed 2016-08-03).
“Scandinavian collections”. National Library of Scotland.
http://www.nls.uk/collections/foreign/scandinavian, (accessed 2016-08-03).
(18)たとえばBLは「グローバルな使命」を負っており、「世界中の知を高めることに寄与する」としている。
“The British Library’s Content Strategy 2013-15”. British Library.
http://www.bl.uk/aboutus/stratpolprog/contstrat/, (accessed 2016-08-03).
(19)Jennifer Gavin. “The Art of Acquisition”. Library of Congress Magazine. 2015, Vol. 4, No. 4: July-Aug. 2015, p. 14.
https://www.loc.gov/lcm/pdf/LCM_2015_0708.pdf, (accessed 2016-08-03).
(20)ジェファソンは、1815年に自身の蔵書を議会に売却する際、議員に無縁な主題はない(“there is in fact no subject to which a member of Congress may not have occasion to refer.”)として、蔵書があらゆる主題を網羅していることの重要性を説いたとされる。
“Jefferson’s Legacy: A Brief History of the Library of Congress”. Library of Congress.
https://www.loc.gov/loc/legacy/loc.html, (accessed 2016-08-03).
(21)出版者自身がBAnQのシステムに電子リソースのファイルとメタデータをアップロードする仕組みである。
“Comment effectuer le depot de publications numeriques”. Bibliotheque et Archives nationales du Quebec.
http://www.banq.qc.ca/services/depot_legal/depot_numeriques/, (accessed 2016-08-03).
(22)“L’Entrepot numerique”. Association Nationale des Editeurs de Livres.
http://www.anel.qc.ca/dossiers/lentrepotumerique/, (accessed 2016-08-03).
(23)“Ruckblick 2015 ? Ausblick 2016” . Staatsbibliothek zu Berlin.
http://staatsbibliothek-berlin.de/fileadmin/user_upload/zentrale_Seiten/ueber_uns/pdf/kurzbilanz15_ausblick16.pdf, (accessed 2016-08-03).
(24)“Das Friedrich-Althoff-Konsortium e.V. ist das regionale Konsortium fur Berlin und Brandenburg”. Friedrich-Althoff-Konsortium e.V.
https://althoff-konsortium.de/, (accessed 2016-08-03).
(25)“Nationallizenzen”.DFG.
https://www.nationallizenzen.de/ueber-nationallizenzen/nationallizenzen, (accessed 2016-07-19).
“Allianz-Lizenzen”.DFG.
https://www.nationallizenzen.de/ueber-nationallizenzen/allianz-lizenzen-2011-ff., (accessed 2016-07-19).
(26)“COUPERIN”. Couperin.
http://www.couperin.org/, (accessed 2016-08-03).
(27)“Licences Nationales”.ABES.
http://www.licencesnationales.fr/, (accessed 2016-08-03).
(28)筆者が米国著作権局に問い合わせた際の回答による。下記の資料に紙資料と電子リソースを直接比較する記述はないが、類推は可能である。
“Best Edition of Published Copyrighted Works for the Collections of the Library of Congress”. United States Copyright Office.
http://www.copyright.gov/circs/circ07b.pdf, (accessed 2016-08-03).
(29)Benoit Tuleu.“Le depot legal en France au defi du numerique”.
http://www.ndl.go.jp/jp/event/events/Benoit_TULEU.pdf, (accessed 2016-08-03).
(30)“Allegement des procedures de depot legal”. Bibliotheque nationale de France.
http://www.bnf.fr/fr/professionnels/anx_depot_legal/a.dl_reforme_20150321.html, (accessed 2016-08-03).
(31)“Library and Archives Canada 2016-2019 Acquisition Strategy”. Library and Archives Canada.
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/about-us/Pages/acquisition-strategy.aspx, (accessed 2016-08-03).
(32)“Digital Archives or Archives in a Digital World: To Be or Not to Be”. Library and Archives Canada.
http://www.bac-lac.gc.ca/eng/news/speeches/Pages/digital-archives-digital-world-remark.aspx, (accessed 2016-08-03).
(33)“Grundsatze des Bestandsaufbaus”. Staatsbibliothek zu Berlin.
http://staatsbibliothek-berlin.de/die-staatsbibliothek/abteilungen/bestandsaufbau/erwerbungsprofil/, (accessed 2016-08-03).
(34)“Charte documentaire: Politique d’enrichissement des collections”. Bibliotheque nationale de France.
http://www.bnf.fr/documents/charte_doc_integrale.pdf, (accessed 2016-08-03).
(35)“Living Knowledge: The British Library 2015?2023”. British Library.
http://www.bl.uk/britishlibrary/~/media/bl/global/projects/living-knowledge/documents/living-knowledge-the-british-library-2015-2023.pdf, (accessed 2016-08-03).
(36)“Charte documentaire: Politique d’enrichissement des collections”. Bibliotheque nationale de France.
http://www.bnf.fr/documents/charte_doc_integrale.pdf, (accessed 2016-08-03).
[受理:2016-08-10]
吉家あかね. デジタル時代における国立図書館の蔵書構築―欧米国立図書館を対象とした調査報告―. カレントアウェアネス. 2016, (329), CA1883, p. 19-23.
http://current.ndl.go.jp/ca1880
DOI:
http://doi.org/10.11501/10196264
Yoshiie Akane.
Collection Developments of National Libraries in the Digital Era‐Report on National Libraries in Europe and North America.