スペイン国立図書館(BNE)の秘密の収蔵施設:本館からの資料の移送(記事紹介)

2022年9月30日付のスペインのEl Periódico de España紙に、スペイン国立図書館(BNE)の資料移送に関する記事が掲載されていました。

記事では、マドリード市内にあるBNE本館の資料が、34km離れたAlcalá de Henaresにある分館(Sede de Alcalá de Henares)に移送される作業の様子や、BNEの資料の収蔵事情等について紹介されています。

法定納本法により、BNEには国内で文化的に生産されたすべてのものが納本されることになっていると述べられています。出版された図書、雑誌、新聞等は各2点、官報や写真等は各1点納本されることになっており、これらに加えてレコード、映画、ビデオゲーム、ホテルのカード、商品シールなども対象とあります。BNEが所蔵する資料は3,500万点を超えており、そのうち2,100万点以上が分館に移送されているとしています。

分館は11階建ての棟6棟からなり、すべての書架を並べると250kmになるとあります。ただし、収蔵は86%に達しており、特に逐次刊行物は2023年に、図書は2025年に限界に近づくと予測されており、コレクション管理の担当者は、早急な新棟の建設が必要であると語っています。

なお、BNEのウェブサイトによると、分館は当初全国レベルでの貸出サービスの拠点となることが想定されていたものの、現在はマドリードにある本館書庫の延長としての役割を担っているとあります。最初の3棟は1993年、次の2棟は2000年、最後の1棟は2009年に完成しており、15メートルの高さのロボット化された書架などが紹介されています。

El búnker secreto que rescata tus cromos, abanicos, recuerdos de comunión y orlas para que no desaparezcan jamás(El Periódico de España, 2022/9/30 )
https://www.epe.es/es/abril/20220930/bunker-secreto-biblioteca-nacional-alcala-libros-cromos-abanicos-carteles-vinilos-75921425

関連:
La BNE en su sede de Alcalá de Henares(BNE,2014/11/25)
https://www.bne.es/es/blog/blog-bne/la-bne-en-su-sede-de-alcala-de-henares

参考:
スペイン国立図書館(BNE)、法定納本法の改正を報告
Posted 2022年5月23日
https://current.ndl.go.jp/node/46168