国際図書館連盟(IFLA)が、2022年7月6日付で、アルゼンチンにおけるコミュニティ図書館のための長期的な資金確保についての記事を掲載していました。
世界の図書館のアドボカシー活動の成功に焦点を当てた不定期シリーズの第一弾として、法改正によりコミュニティ図書館に対する資金提供の期間が50年延長されることになったアルゼンチンの例が紹介されています。2022年12月に期限が切れることになっていた図書館等への税配分が、法改正により配分期限の延長が決定されたものです。記事はIFLAラテンアメリカ・カリブ海地域部会議長のAlejandro Santa氏へのインタビューで構成されています。
Santa氏によると、アルゼンチンにおいては、デジタル時代への対応やマラケシュ条約に沿ったアクセシビリティの提供などが図書館の大きな課題であるとし、こうした中で公共図書館への資金提供が危機に陥り始めた当初に、問題を社会に認知させるためのキャンペーンを立ち上げ、長期的な視点で資金提供を得るため、同じ法律の影響を受ける他のセクターとネットワークを構築したとしています。
公共図書館国家委員会(National Commission of Popular Libraries)が意識向上キャンペーンを推進したほか、図書館界として他のセクターと協力したり、各地のフォーラムでこのトピックを訴えるなどして、資金削減を回避するために行動したとしています。その結果、法律第27432号によって規定された図書館を含む産業および文化機関のための税配分の期間延長が承認され、資金が50年間保証されることにつながったと述べられています。
Library advocacy tales: securing long-term funding for community libraries in Argentina(IFLA, 2022/7/6)
https://www.ifla.org/news/library-advocacy-tales-securing-long-term-funding-for-community-libraries-in-argentina/
Ley 27432(Argentina.gob.ar, 2017/12/29)
https://www.argentina.gob.ar/normativa/nacional/ley-27432-305264/texto
参考:
アルゼンチンの公共図書館約600館、インターネット環境の一括整備へ
Posted 2010年9月9日
https://current.ndl.go.jp/node/16796