2022年4月8日、フランス・文化省が、公共図書館における電子リソースに関する調査報告書の2021-2022年版の公開を発表しました。
市、コミューン連合、県の図書館における電子リソースに関する最新のデータを入手すること、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響を把握することを目的に行われた調査です。文化省の委託を受けてIpsosが実施したものであり、2021年9月24日から11月2日にかけてアンケートが行われ、2,014件の回答が寄せられました。なお、2013年に同テーマの調査、2020年に新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響に関する2回のフラッシュ調査が実施されています。
報告書では、図書館が収集している電子リソースの種類、電子リソースへのアクセスのための予算、フランス電子図書館貸出プラットフォーム(Prêt Numérique en Bibliothèque:PNB)の状況、関連する課題、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響といったトピックごとに、今回の調査結果の分析や過去のデータとの比較結果がまとめられています。
報告書の要約版では、大規模な自治体の図書館では平均して全体の予算額の22%が電子リソースにあてられたこと、電子リソースに関する予算は2020年から2021年にかけて5%増加していること、PNBで提供されるタイトル数が増えていること、財政面での課題があると25%が回答したこと等が述べられています。また、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響として、55%が電子リソースの購入数が増えたと回答したこと、20%が電子リソース購入のための予算増額を検討したこと等を示しています。
Etude sur les ressources numériques en bibliothèque de lecture publique(Ministère de la Culture, 2022/4/8)
https://www.culture.gouv.fr/Thematiques/Livre-et-lecture/Actualites/Etude-sur-les-ressources-numeriques-en-bibliotheque-de-lecture-publique
参考:
フランス・文化省、公共図書館によるデジタル資料提供への新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査結果を発表
Posted 2020年10月9日
https://current.ndl.go.jp/node/42227