2021年9月14日、オーストラリアの主要な研究助成機関であるオーストラリア研究会議（Australian Research Council：ARC）は、ARCの研究助成プログラム“National Competitive Grant Program”（NCGP）の申請時に任意の箇所でプレプリントを参照する/含めることを認めると発表しました。
発表には、関連するNCGPの文書に今後含まれることになるプレプリントの定義が示されており、次のような内容が含まれています。
・プレプリントまたは同等のリソースは、著者によって、公的にアクセス可能なアーカイブ、リポジトリ、又はプレプリントサービスにアップロードされた学術的なアウトプットであり、さまざまな程度の査読を受けた資料が含まれる。
・理想的には、プレプリントまたは同等のリソースには、一意の識別子またはDOIが付与されるべきである。引用時には、その旨を明示し、必要に応じて（as applicable）DOI、URL又は同等のもの、版番号及び/又はアクセス日とともに参考文献に含める必要がある。
発表によれば、この変更によって研究助成申請にプレプリントを含めることは問題ではなくなり、申請はプレプリントの使用という理由で除外されなくなります。代わりに、ARCは、引用された/研究成果として記載されたプレプリントの価値、適合性、関連性の判断を、査定者の知識に基づいて行うと述べています。
Adjustments to the ARC’s position on preprints（Australian Research Council, 2021/9/14）
https://www.arc.gov.au/news-publications/media/communiques/adjustments-arcs-position-preprints
参考：
研究助成申請においてプレプリントの引用を許可しないオーストラリア研究会議（ARC）と、その変更を求める署名運動（記事紹介）
Posted 2021年9月2日
https://current.ndl.go.jp/node/44728
オーストラリア研究会議、プレプリントへの言及を含む研究助成申請を却下：研究者から抗議の声（記事紹介）
Posted 2021年8月27日
https://current.ndl.go.jp/node/44684
プレプリントの引用を削除するよう求められた時の対処方法（記事紹介）
Posted 2021年8月27日
https://current.ndl.go.jp/node/44685
