2019年2月4日、米国議会図書館(LC)が、アンドリュー W.メロン財団から、40か月間のプロジェクト“Assessing the Physical Condition of the National Collection”への助成を獲得したとを発表しました。
米国の研究図書館の蔵書を保存するための全国的な取組を発展させる科学的基盤を策定するため、どの本をどの分量で全国的に保存する必要があるかを決定する際に基準となる、比較可能で信頼のできる意思決定方法を提供することが目的です。他には、アリゾナ州立大学・コーネル大学・コロラド大学ボルダー校・マイアミ大学・ワシントン大学が参加します。
蔵書の物理的状態を定量的・客観的に評価するため、異なる地域の5つの大規模研究図書館が所蔵する書誌的に同一の書籍をサンプルに、その物理的・化学的・光学的な特徴を比較します。集められたデータをもとに、書籍が自然に劣化する過程に関するナレッジベースの構築、人工物としての書籍に関するデータセットの提供を行ない、書籍の物理的状態の予測モデルの構築に繋げることが目標です。また、書庫で利用可能な簡単なテストツールの開発も目標とされています。
調査は、LCの保存研究・試験部門(Preservation Research and Testing Division:PRTD)で行われ、2人の研究者のもと、参加5機関が所蔵する同一書籍500冊・合計2,500冊を分析します。調査の成果は2022年に公開されます。
Library Receives Major Grant from the Andrew W. Mellon Foundation (LC,2019/2/4)
https://www.loc.gov/item/prn-19-011/library-receives-major-grant-from-the-andrew-w-mellon-foundation/2019-02-04/