Simba Informationがオープンアクセス市場に関するレポートを公表 OA市場の売上は予想を大きく上回る

2018年6月21日、メディア・出版業界に関する市場調査会社Simba Informationは、オープンアクセス(OA)に関する市場の現況と直近の展望をまとめたレポート”Open Access Journal Publishing 2018-2022”を公表しました。本文は有料ですが、プレスリリース等で内容の一部が紹介されています。

リリースによれば、2015年から2017年にかけて、学術雑誌市場全体の売上の増加率は年1%を超える程度であったのに対し、OA雑誌については年利二桁%の伸びを見せていたとのことです。Simba Informationは2014年からOAに関する市場レポートを作成していますが、当時はOA市場の伸びに必ずしも楽観的ではなかったのに対し、実際にはその後、予想を裏切る拡大を見せているとのことです。特にElsevierやSpringer Nature等、購読型雑誌出版を担ってきた従来から存在する出版者における、ハイブリッドOAが拡大していることが指摘されています。ハイブリッドOA論文は購読型雑誌論文のうちの数%を占めるにすぎませんが、大手出版者は2,000誌以上の雑誌を有することもあり、ハイブリッドOA論文の割合が1~5%増えるだけでも数億ドルの増収につながるとされています。

Open Access Sales Exceed Expectations(Simba Information、2018/6/26付け)
https://www.simbainformation.com/about/release.asp?id=4369

Open Access Journal Publishing 2018-2022(Simba Information、2018/6/21付け)
https://www.simbainformation.com/Open-Access-Journal-11347676/

参考:
オープンアクセス論文数は全研究論文数の2倍のペースで増加 Simba Informationがオープンアクセス市場に関するレポートを公表
Posted 2016年10月11日
http://current.ndl.go.jp/node/32701

Simba Information、オープンアクセスジャーナルの市場情報についての報告書を公表
Posted 2014年9月4日
http://current.ndl.go.jp/node/26943