2015年9月に開催される国際放送展(International Broadcasting Convention 2015:IBC2015)で、国際五輪委員会(IOC)による資料保全活動が表彰されることが発表されています。
1896年のアテネ五輪以降の1世紀以上にわたるオリンピックの歴史を保全し、かつ放送局や研究者、その他専門家の利用を可能にしたことによる表彰とのことです。
保全は、7年間に及び、総額3,000万ユーロが投じられ、世界中の一流の専門機関から協力を得て行われたとのことで、劣化や消失の危機に瀕していた、約3万3,000時間分の動画、約50万枚の写真、約2,000点の文書などの多くが修復された、とされています。
プロジェクトの途中、2012年に、資料を保管していたIOCの倉庫を暴風雨が襲ったことや、視聴覚資料を再生する機械がないものもあったことなど、修復に係る苦労や、修復・保全された資料について(近代五輪の創立者であるピエール・ド・クーベルタンの肉声などが含まれていたことなど)が報じられています。
Olympic Archive Conservation to be Honoured by IBC(IBC2015)
http://www.ibc.org/library/Olympic-Archive-Conservation-to-be-Honoured-by-IBC
Olympic Archive Conservation to be Honoured by IBC(Business Wire, 2015/6/22)
http://www.businesswire.com/news/home/20150622005563/en/#.VbG8UdJdDL8
IBC2015
http://www.ibc.org/Content/Home
関連:
IOC preserves a century of Olympics history following seven-year project(The Japan Times, 2015/7/17)
http://www.japantimes.co.jp/sports/2015/07/17/olympics/ioc-preserves-century-olympics-history-following-seven-year-project/#.VbG9OdJdDL8
※元の記事は、AFPによるものです。
第1回大会から変わった種目まで―IOCに眠る五輪の歴史(AFPBB News, 2015/7/17)
http://www.afpbb.com/articles/-/3054810
Olympics: “IOC Preserves a Century of Olympics History”(LJ INFOdocket, 2015/7/17)
http://www.infodocket.com/2015/07/17/olympics-ioc-preserves-a-century-of-olympics-history/
参考:
CA1824 – ロンドンオリンピックの文化プログラム-博物館・図書館・文書館の取組み- / 福井千衣
カレントアウェアネス No.320 2014年6月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1824