‘First Monday’の20巻7号(2015年7月6日)に、ウィスコンシン大学准教授のMichael Zimmer氏による“The Twitter Archive at the Library of Congress: Challenges for information practice and information policy”という論文が掲載されています。
2010年にLCから発表され、2006年のサービス開始から公開設定となっているツイートを全て保存しようとするこの取組みは、発表から5年が経ったものの、実現に至っておらず、この文献では、実現を阻んだ要因を実務的な側面(ツイートの体系化や有効な検索手段、物理的な保存の方法)とアーカイブのポリシーに関する側面(アクセス制限や、倫理上のアーカイブの存在そのものについての是非など)という2つに分け、調査しているとのことです。
結論として、ポリシーに関する課題は、多く残っていると論じていて、デジタルアーカイブや情報探索に関する技術的な専門家だけでなく、情報政策、研究倫理、プライバシーの専門家も含んだ公民連携(PPP)が必要であることなどが指摘されています。
“The Twitter Archive at the Library of Congress: Challenges for information practice and information policy”(First Monday)
http://dx.doi.org/10.5210/fm.v20i7.5619
参考:
E1042 – 米国議会図書館,Twitterの全公開ツイートを保存へ
カレントアウェアネス-E No.170 2010年4月28日
http://current.ndl.go.jp/e1042
E1385 – 米国議会図書館のTwitterアーカイブ,その可能性と課題
カレントアウェアネス-E No.230 2013年1月24日
http://current.ndl.go.jp/e1385
米国議会図書館(LC)にTwitterを保存されないようにするサービス“NoLOC.org”
Posted 2010年9月28日
http://current.ndl.go.jp/node/16867