研究評価指標としてのTweet数と「ボット」アカウント(文献紹介)

モントリオール大学(カナダ)のStefanie Haustein氏らが、“Tweets as impact indicators: Examining the implications of automated bot accounts on Twitter”と題した論文のプレプリントを2014年10月15日付けで公開しています。

この論文ではプレプリントサーバ・arXivに投稿された学術論文で、後にWeb of Science収録誌に掲載されたものに関する2012年のTweetを対象に、機械的にTweetを投稿するいわゆる「ボット」によるTweetやボットとみなされるアカウントの特徴を分析しています。分析の結果、収集した50,068のTweetのうち9%がボットとみなされるアカウントによるもので、それらのアカウントの84%はarXivの特定の分野に新たな論文が投稿されるたびにTweetを行うものだった、とのことです。このようなアカウントは論文を選別することなくTweetするため、Haustein氏らは生のTweet数を研究評価等の指標にすることは問題があると指摘しています。その上で、Haustein氏らは論文タイトルとTweet内容の一致状況から、機械的なTweetとなんらかの論文への言明を含むTweetを区別することを提案しています。

Tweets as impact indicators: Examining the implications of automated bot accounts on Twitter(arXiv、2014/10/15付け)
http://arxiv.org/abs/1410.4139

Altmetrics: “Tweets as Impact Indicators: Examining the Implications of Automated ‘Bot’ Accounts on Twitter”(LJ INFOdocket、2014/10/17付け)
http://www.infodocket.com/2014/10/17/altmetrics-tweets-as-impact-indicators-examining-the-implications-of-automated-bot-accounts-on-twitter/

参考:
Twitter、文献管理ツール(Mendeley、CiteULike)、ブログを対象としたAltmetricsのメタ分析(文献紹介)
Posted 2014年8月1日
http://current.ndl.go.jp/node/26704

E1593 – Altmetricsに関するNISOプロジェクト第1期のまとめ カレントアウェアネス-E No.264 2014.08.07
http://current.ndl.go.jp/e1593

※著者の出身国に誤りがありましたので、訂正します。2014年12月22日