2025年2月24日付けで、オープンアクセス（OA）学術単行書のダイレクトリであるDirectory of Open Access Books（DOAB）のブログ上で、2024年10月に開催されたオンラインセッション“Sustainable Open Access Book Publishing in East Africa”について報告されています。オープンアクセス学術出版協会（OASPA）のプログラムマネージャーであるMalavika Legge氏によるゲスト投稿です。
このセッションは、学術単行書の公平で持続可能なOAに向けたアプローチの検討をテーマにDOABと学術単行書のOAを推進する欧州のコンソーシアムOAPENにより共同開催されたもので、4名のプレゼンターによる発表とワークショップの2部構成で行われました。発表の概要、発表・ワークショップにおける議論をまとめた報告書のほか、各発表の録画も公開されています。
報告書によると、発表ではアフリカ研究のOA出版に有用なメカニズム（オープンソースのソフトウェアや助成金など）の説明、BPC（book processing charge）モデルからの脱却と書誌多様性の促進を目指すOpen Book Collectiveの紹介、南アフリカの大学出版局によるOA出版の事例報告などが行われました。また、発表とワークショップを通じて、単行書とジャーナルのOA出版には違いがあることが強調され、ジャーナルを牽引してきた、高額な費用を要するなど課題が多いビジネスモデルに依存しすぎない単行書のOA出版の在り方などを検討したことが報告されています。
Equitable and sustainable open access for scholarly books in East Africa: report from an online session（DOAB, 2025/02/25）
https://www.doabooks.org/blog/
Findanis, Jordy; Legge, Malavika. Report from a workshop on sustainable open access book publishing in East Africa. Zenodo, 2025.
https://doi.org/10.5281/zenodo.14914352
参考
アフリカ・ラテンアメリカ・欧州の3地域における非営利のオープンアクセス出版の強化に取り組むプロジェクトALMASIが開始 [2025年01月29日]
https://current.ndl.go.jp/car/239103
オープンアクセス（OA）学術単行書のダイレクトリDOABの収録タイトル数が5万点に到達 [2022年04月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/46040
