Open Science Framework(OSF)に登録された研究のうち、どの程度が公開されているのか(文献紹介)

心理科学分野のジャーナル“Advances in Methods and Practices in Psychological Science”誌の8巻1号に、Open Science Framework(OSF)に登録された研究のうち、どの程度が公開されているのかを定量的に分析した論文“An Inception-Cohort Study Quantifying How Many Registered Studies Are Publicly Shared”が掲載されています。著者は、オランダのアイントホーフェン工科大学のEline N. F. Ensinck氏とDaniël Lakens氏です。

OFSは、米国の非営利組織Center for Open Scienceが開発した、研究データ管理用のオープンソースソフトウェアです。同稿では、2017年11月までにOSFに登録された研究のうち、実施されてから4年以上経過しても公開されていない研究を数値化しています。サンプルとして登録された研究169件を調査したところ104件(61.5%)が公開されており、OSFに登録された研究9,172件のうち5,316件(58%)が公開されていると推定されるとしています。相当な数が未公開のままであると指摘し、その理由として、時間不足や研究者の転職、研究結果が出なかったことや査読での不採択などが挙げられています。

Ensinck, Eline N. F.; Lakens, Daniël. An Inception-Cohort Study Quantifying How Many Registered Studies Are Publicly Shared. Advances in Methods and Practices in Psychological Science. 2025, 8(1).
https://doi.org/10.1177/25152459241296031