はしがき
平成15年8月に刊行を開始した「図書館調査研究リポート」は、みなさまのご助力を得て、今回ですでにNo.7を数えるまでになりました。これまで様々な分野の調査研究を本リポートにより公開してきましたが、今回また新たに、今まで採り上げていなかった領域の調査をご報告いたします。
今回のテーマは「蔵書評価」です。より広く申し上げれば、図書館資料の収集に関わるテーマです。資料の収集というものは、まず収集方針を定め、それに基づいて選書・購入等を実施し、構築された蔵書について評価をする、さらにその評価によって収集方針が修正される、というサイクルになるのかと思います。この中の蔵書評価について、国立国会図書館を例に取りますと、近年収集部門において、電子化の影響を強く受けている外国雑誌について蔵書評価を試み、また日本関係図書についても部分的に蔵書評価を実施してきました。本調査は蔵書評価に向けたこうした動きの一環として、平成17年度に実施したものです。
折しも本年4月、本調査への反映は間に合いませんでしたが、英国図書館(BL)が蔵書評価の結果を基に新しい「コンテンツ戦略」を発表しています。「蔵書評価」というテーマが、時宜を得た、重要な意義を持つものであると言えるでしょう。
調査は社団法人システム科学研究所に委託しましたが、実施にあたっては、以下のメンバーによる研究会が担当しました。
主査:
岸田 和明(駿河台大学文化情報学部教授、第1・3章、総括担当)
委員:
村上 泰子(梅花女子大学文化表現学部助教授、第2章担当)
大谷 康晴(青山学院女子短期大学講師、第3章担当)
池内 淳(大東文化大学文学部講師、第3章、付録2担当)
石井奈穂子(立命館大学総合情報センター、翻訳総括担当)
(以上敬称略、所属は調査実施時のもの)
末筆ながら、本調査をご担当いただいた委員各位、アンケート調査にご協力いただいた関係機関の皆様、また特に、本調査のためにデータを提供していただいた国立情報学研究所(NII)様に、厚くお礼申し上げます。
平成18年7月
関西館事業部図書館協力課長
豊田 透