E796 – IMLS,図書館・博物館の若者向けサービス企画用ガイドを作成

カレントアウェアネス-E

No.129 2008.06.11

 

 E796

IMLS,図書館・博物館の若者向けサービス企画用ガイドを作成

 

 米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)はこのほど,博物館・図書館による,効果的で魅力ある若者向けプログラムの開発を支援するためのガイドブック,“Nine to Nineteen: Youth in Museums and Libraries; A Practitioner’s Guide”を刊行した。

 本ガイドは,2007年に刊行された,博物館・図書館による若者向けプログラムの調査報告書“Museums and Libraries Engaging America’s Youth: Final Report of a Study of IMLS Youth Programs, 1998-2003”のデータを基に作成されている。この報告書は,1998から2003年の期間中にIMLSの助成金を得て実施された若者(9~19歳)向けのプログラムについて,対象利用者,ニーズ,フレームワーク,成果,評価,継続性などを,アンケートおよびインタビューで分析したものである。なお報告書では,熱心で博識なスタッフによるサービス,展示物と情報資源,実践的な学習の機会,認知的・社会的成長へのサポートなどを提供する博物館・図書館が,若者の育成にとって他にはない財産となっていることが,結論として示されている。

 本ガイドは,第1部「博物館・図書館において何が若者に有効なのか(What Works for Youth in Museums and Libraries)」,第2部「実践者向けリソース(Resources for Practitioners)」から成っている。第1部では,「図書館・博物館の重要性」「効果的な若者プログラム」「コミュニティに対する博物館・図書館の貢献」「プログラムにおいて若者の果たす役割」について明確にしている。特に若者を,サービスの受動的な享受者ではなく,プログラムの企画,試行,実行,評価という各段階に積極的に関わる参加者として位置づける重要性を指摘していることは興味深い。さらに成功のための戦略として,「パートナーシップ」「評価」「継続性」の3つを挙げ,それぞれについて,なぜそれが必要なのか,何に注意を払えばよいか,などについて説明している。なお,以上の論点は,多くの優れた実践事例とともに紹介されている。第2部は,企画に役立つフレームワークや,資金調達に関する情報,評価手法に関する情報などを集約した資料集となっている。

Ref:
http://www.imls.gov/pdf/YouthGuide.pdf
http://www.imls.gov/news/2008/051608.shtm
http://www.imls.gov/pdf/YouthReport.pdf
http://www.imls.gov/news/2007/121707a.shtm
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