E461 – 欧州デジタル図書館計画,パブリックコメントの結果発表

カレントアウェアネス-E

No.79 2006.03.22

 

 E461

欧州デジタル図書館計画,パブリックコメントの結果発表

 

 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会(EC)は,欧州デジタル図書館計画に関してオンラインでの意見募集を行っていたところである(E390参照)が,3月2日,寄せられた意見をとりまとめ,ホームページ上で公表した。

 寄せられた意見は225件,約半数が図書館・博物館・文書館の関係者からであったほか,出版業者,著作権者,大学関係者などからも意見が寄せられている。デジタル図書館計画自体は概ね支持が得られているが,コンテンツの著作権に関わる問題については,特に,著作権法制度の改訂を求める文化施設側と現行の法制度の妥当性を主張する著作権者側との間で意見が分かれている。このほか,デジタル化への十分な投資,欧州全体での協力体制,多言語対応などの必要性を指摘する意見もあった。

 欧州デジタル図書館は,現在公開されている欧州図書館(TEL;CA1556参照)のシステムをもとに作られるもので,EU内の国立図書館,博物館,文書館などとの協同により,2008年には200万点,2010年には600万点の図書,映画フィルム,写真,手稿などをウェブ上で見られるようにする予定である。欧州委員会は2006年末を目途に,ヨーロッパ全体での資料デジタル化ネットワークの形成,デジタル図書館に関わる知的財産権保護についての枠組みの検討といった作業を予定している。

Ref:
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?reference=IP/06/253&type=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en
http://europa.eu.int/information_society/activities/digital_libraries/doc/communication/results_of_online_consultation_en.pdf
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20097817,00.htm
E390
CA1556