E221 – 学生に必要な情報リテラシーとは?

カレントアウェアネス-E

No.40 2004.07.21

 

 E221

学生に必要な情報リテラシーとは? 

 

 勉強する時に学生がよく利用するのは,インターネット,電子メール,図書館が提供するデータベースの順。米コロンビア大学電子出版イニシアチブ(EPIC)が2003年に実施した学生1,223人へのアンケート結果からは,学生にとって電子情報資源がもはや学習のメインツールになっている姿が浮かび上がる。ところが同時に,回答者の約50%は電子情報の信頼性を判断するのが難しいと感じており,また同程度が電子情報の評価方法を学んだ経験がないとも回答している。

 一方英国では,学生の剽窃行為(plagiarism)が問題となっており,大学関係者らによる,剽窃をテーマとした6月の会議では,インターネットが普及したことで学生がウェブ上から他人の著作物を盗用して課題や論文を完成させる事例が目立ってきていると警鐘が鳴らされた。会議では4人に1人の割合で剽窃の疑いがあると報告され,剽窃行為に無自覚なところ,剽窃を不正なことだとは気づいていないところに問題があると専門家は解説している。

 こうしたふたつの事例は,図書館を含めた大学社会全体が,電子情報の利用に関する適切なトレーニングを,学生に必須の情報リテラシーとして重視していく必要があることを示唆しているのではないだろうか。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA430475
http://www.epic.columbia.edu/eval/eval04frame.html
http://education.guardian.co.uk/higher/news/story/0,9830,1250783,00.html
http://www.jisc.ac.uk/index.cfm?name=call_for_collab_news_010704
http://online.northumbria.ac.uk/faculties/art/information_studies/Imri/Jiscpas/site/jiscpas.asp