カレントアウェアネス-E
No.174 2010.07.08
E1071
国立国会図書館件名標目表のウェブ版「Web NDLSH」が公開
国立国会図書館(NDL)は,2010年6月30日に国立国会図書館件名標目表(NDLSH)のウェブ版「Web NDLSH」を公開した。
NDLSHは,NDLが主題アクセスの手段として維持・管理している統制語彙集で,NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)の「件名」による検索などで利用されている。NDLは,NDLSHを古くは冊子体で提供し,2005年以降はNDLホームページ上でPDF,テキストデータの2形式により提供してきた。今回,ウェブ上のさまざまなアプリケーションやシステムでより一層活用されることを目指して,SKOS(Simple Knowledge Organization System)の枠組みを用いてWeb NDLSHを公開した。
Web NDLSHで用いられたSKOSデータモデルは,セマンティック・ウェブ上で件名標目表,分類表などの統制語彙を表現するのに適し,すでに米国議会図書館件名標目表(LCSH)など各国の件名標目表のデータ提供に使用されている。
Web NDLSHにより可能となった主なサービスは以下のとおりである。
- 個々の件名標目に対してURIを付与し,外部からの件名標目へのURI参照が可能となった。
- 個々のデータのダウンロードは,RDF/XML,RDF/Turtle,JSONの3形式,全件データのダウンロードは,RDF/XML,TSVの2形式で可能となった。
- RDFクエリ言語の一種であるSPARQLを用いることで,外部から検索できるようになるなど外部システムとの機械的連携も可能となった。
- 個々のNDLSHの各件名標目に対応するLCSHの件名標目が存在する場合は,LCSH提供システムであるAuthorities&Vocabulariesの当該語彙へのリンクを生成・表示するものとした。また,Wikipediaに対しても同様にリンクを生成・表示する。
- 標目や参照形からだけではなく,国立国会図書館分類表(NDLC),日本十進分類法(NDC)からの検索も可能となった。
- これまで提供を行ってきた普通件名の主標目に加えて,「アメリカ合衆国–外国関係–日本–歴史–19世紀」などの細目付き件名も提供範囲に含めた。
- NDLSHのシソーラス構造をグラフィカルに表示した。
今後は,名称典拠やNDLCといったNDLSH以外のリソースについても,ウェブ上で活用しやすい形で提供できるように検討を進める。
(収集書誌部)
Ref:
http://id.ndl.go.jp/auth/ndlsh
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bib_newsletter/2010_2/article_02.html
http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/bunruikenmei.html